2015年1月10日土曜日

「紅春 57」

りくはいつも私を見張っています。「来なくていい。」と言っているのに、郵便受けを見に行くとか、ちょっと台所に物を取りに行くとかするときまでついてくるのです。また、パソコンに向かっていたり、食事の準備をしていたりする時も、ふと気づくと私が見えるところに陣取ってこちらを見ているのです。こたつですぐそばにいる時も、そ知らぬふりをしながら私の動きを目の端に入れているので、なんだか気疲れしてしまうこともあります。

 こちらがその気のないときも、「そろそろ散歩に行く頃じゃない?」と言わんばかりにそばをうろうろしたり、きちんと座ってじっと目を見る「お座り攻撃」を仕掛けてきたりします。「さっき行ったばかりでしょ。」「今忙しいから行けない。」と話すのですが、結局熱意にほだされて連れ出すことになってしまいます。

  夜は茶の間で「おやすみ。」を言いますが、襖をわずかにあけてあるのでりくは必ずやってきます。秋までは私の布団の隣にあるりく用ベッド(毛布をたたんで積んだもの)の上で寝ていましたが、寒くなったのか今は電気毛布を使っている私の布団の上に当然のようにやってきます。私がいつもより遅くまで起きている時などは、襖をカシャカシャするので開けてやると、まるで「お先に休ませていただきます。」というかのようにトコトコ寝室に入っていきます。私が寝る時分には、りくは丸くなったり手足を伸ばしたりいろいろな格好で安心しきって眠っています。

 日本犬が海外でブームだと聞きますが、ほとんどの人がリチャード・ギア主演の「Hachi」で日本犬を知ったようです。犬の知能は人間で言えば2歳くらいでしょうか、とすればまさに幼子です。りくの態度を忠犬と言ってよいのかわかりませんし、またこんな言い方は不謹慎かもしれませんが、もし人がこの犬のように神様に対することができるなら、神様はどれほどお喜びになるだろうと思います。