2014年9月25日木曜日

「人間とお墓」


 ハカトモ(墓友)という言葉を聞いた時はびっくりしましたが、今度は「墓じまい」。これには考えさせられました。少子化等による家族形態の変化が背景にあるのでしょうが、子供に「墓を残さないでほしい。」と言われてやむなく処分した人もいれば、子供に迷惑をかけたくない、無縁仏になりたくないという理由で自分から墓じまいを望む人もいます。

 人間を特徴づける定義は様々ありましょう(二足歩行する、道具を使う、火を使う、言語を使うなど)が、「墓を作る動物」というのもありかもしれません。(この点でアフリカゾウも仲間を弔うと知った時は本当に驚きました。) 墓作りは死後の世界や死者を想うことから始まるのでしょうから、非常に人間的な営みであることは間違いありません。「ワンピース」を待つまでもなく、人は人に忘れられた時に死ぬのですから、亡くなった人を偲ぶよすがとしての場を処分する墓じまいは、完全な死を先取りするものかもしれません。

 信夫山にあるお墓には私の父と母と連れ合いのお骨や遺灰があり、墓前礼拝等をする大事な場所ですのでおろそかにするつもりはありませんが、彼らがそこにいるわけではないこともわかっています。しかし、彼らはたとえこのお墓がなくなったとしても忘れられることはありません。もう天の国に入り名が記されているからです。イエス様のそばで安らいでいることでしょう。私も必ずそこへ行くつもりです。