2014年6月10日火曜日

「マイン・フェスト Mainfest」


 フランクフルトでは確か8月初旬に何日間かかけてマイン・フェストが開かれます。普段は静かなマイン河畔に派手な屋台や遊園地が数多くでて市民でにぎわいます。数年前でもフランクフルトは既に他国籍都市といってよく、「外国人はどのくらいいるの?」と聞いたら、「人口の2割近いとのことでした。

 地域のお祭りにあわせて移動する遊園地は市庁舎のあるレーマーベルクに設置され、びゅんびゅん回るブランコなどはもう怖いくらいです。日本では絶滅寸前の子供の遊具がほとんどそのまま使われているのは驚きです。広場のレストランは満席、遊園地の歓声を聞きながらのゆっくりした食事はいやが上にも気分を高めます。メリーゴーランドはこういう場所に最もふさわしい乗り物です。どうやって運ぶのか観覧車だってあります。こういうアナクロな遊園地は大人も子供も一緒に乗れてとてもわくわくします。

 ジェラート片手になんだかわけのわからないゲームの屋台や子供だましのおもちゃを冷やかしながら歩くだけでよいのです。もちろん花火も夜空を染めます。遊覧船の明かりが灯りきれいです。いつもとちがう祝祭的空間を味わい、日常に返る日を思い、楽しい祭りの時は過ぎてゆきます。
「ほんとに外国人が多いね。」
すれちがう人の顔を眺めながら私が言うと、
「今日は外国人が90パーセントくらいかな。」
とヘルベルト。ま、私もそうなんですけど。この日は夢まぼろしのような日なのです。