2022年12月7日水曜日

「私の主治医」

  自らのたるんだ生活を戒めるために、時折健康本を読むことにしています。「塩分はもう少し控えようかな」とか「やっぱり運動をサボっちゃいけないな」とか「就寝時刻をずらした方がいいのか」等、活を入れられ、「おいしいものは脂肪と糖でできている」に甘えきった脳が目覚めます。本を変えても読む前から書かれていることは大体わかります。「適切な食事、運動、睡眠」、この遂行あるのみなのです。ただ、雑多な本の中にはごくわずかに新たな情報が記されており、参考になる場合があります。

 今年は薬害でひどい目に合ったので、自らの健康維持の特殊項目として、化学物質の排除も加わりました。住居に関しては何しろ古いのでシックハウスの心配はないものの、衣類あるいは端的に皮膚から入る可能性のあるものとして、洗濯、食器洗いの洗剤を全部無添加せっけんに変え、またお風呂場で体を洗うだけでなく、思い切ってシャンプーも無添加せっけんで代用してみましたが、今のところ髪がごわごわになるなどの不都合は起きていません。もちろん、髪がつるつる、サラサラというわけにはいきませんが、化学物質を体内に取り込んでいないと思うだけで、気持ちが上向くようです。このまま少し様子を見てみます。

 食事に関しては、コロナ関係の自粛要請がなくなって外食の機会が増えていましたが、やはり外食や調理された惣菜などは味が濃いと感じ、控えた方がよいと自分で分かりました。毎日自分で調理すれば少なくとも無用な食品添加物は避けられますし、調味料を少量にして極力薄味で食べられます。毎回一から鰹節や昆布でだしを取る気力は無いのですが、これまで使っていた白だしを控えて、ミルで挽いた煮干しを使ってみることにしました。これなら時間のある時に自分で作っておくことができます。

 寒くなってうれしいのは野菜・きのこ類を鍋で多めに食べられることで、これも体にいいこと間違いなしです。また魚、肉、卵など満遍なく食べることでしょうか。スパイス類も侮れず、認知症予防に良いというカレー(玉ねぎと人参のみじん切りを煮込んだだけ)は常備菜、また、暑さが去ってからはブリオッシュをよく焼きますが、半分くらいは血管に良いというシナモンパンにします。生地は強力粉、牛乳、バター、卵、イーストだけですから体に悪いわけがありません。生地に塩や砂糖は入れず、食べる時にクリームチーズやジャム、メープルシロップを添えれば立派なティータイム、豊かな気持ちになれます。

 他には発酵食品として、納豆、味噌、ぬか漬け(かぶが美味しい季節になりました)、ヨーグルトといったごく普通の食品を食べており、今のところ腸活についてはまだまだ未開拓です。ちょっと驚いたのは、ヨーグルトの健康への効用は、日本ではまだ医学的に証明されていないとか。そもそも乳製品は日本人の体質に合わないといった議論もあるようですが、私の健康維持にはすこぶる良いと感じています。

 それから私にとって忘れてならないのは鉄卵の白湯です。毎朝、卵型の南部鉄を入れたやかんで湯を沸かし、7分ほどおいて500mlの保温ポットに移しておきます。これを飲むようになって採決時の貧血気味の値が改善したのと同時に、体のだるさがだいぶ緩和された気がします。相変わらず当日の朝にならないと体調が分からないのですが、気分よく起きられた日にだいたい一日元気に活動できるのは、この鉄卵のおかげという気がします。

 運動に関しては「無理はしないが怠けもしない」というラインを守っており、夏の暑さに比べたら東京の冬はほとんど理想的な運動環境です。ただし気温の低い早朝のウォーキングはやめ、陽が出て少し緩んでから買い物がてら出かけることが多いです。厚着で出かけると汗だくだくになるので、ほんのり汗ばむ程度の服装を予想するのが難しいです。数年前の膝関節変形症もほぼ克服した(痛みを感じない)ことといい、今年の骨粗鬆症薬害といい、これがあと十年遅く起きていたら体力的に乗り越えられたかどうか自信がありません。早い時期に自分の弱点を知ることができ、今後強化していけるのはありがたいことと言うべきかも知りません。

 睡眠に関する医学的な見解は分かれており、高齢者は夜10時に就寝―朝6時に起床が理想的であるとか、老齢になると睡眠時間が短くなるので6時間の睡眠時間でもよいとか、眠れなくても睡眠薬に頼らず、悩まずに過ごした方がいいとか、様々です。起床時刻の早い私はとても夜10時まで起きていられず8時前(7時ということもあります)には就寝しますが、夜中に必ず目覚めます。その後どうしても眠れない時は眠くなるまで音声による読書をしています。そのうちいつの間にか眠っており、朝になる・・・という日が一般的ですが、たまに朝まで熟睡という恵みの夜もあります。とにかく悩まなくていいらしいと知って、「もう睡眠のことで気を揉まなくていいや」と思うと気が楽です。

 誰にでも他の人には分からない自分なりの最適な健康法があるでしょう。異変を感じた時の対処法は最も重要で、「医者に行くかどうか」も含めての判断になります。今年、薬害から私が学んだことは、治療が自分の体質に合ったものかどうか細心の注意を払って受ける(あるいは拒否する)必要があるということでした。「私以上に私の体について知っている人はいない。「最終的な私の主治医は私なのだ」という強い自覚を持たなければと思っています。