インターネットが今後どのようになっていくのか、私には皆目見当が尽きません。一応その方面の本も読んでみましたが、ほとんど理解できませんでした。各国が熾烈な覇権闘争をしているのは間違いなく、どう転がってどんな影響を被るのか、よくない予感しかしません。先頃ランサムウェアの被害に遭った大阪の大病院が事前にかなり危機感を持って備えていたらしいと聞くと、「いざという時のために或る程度、紙ベースの保存も必要なのではないか」と、時代に逆行する考えを持つほどです。どこぞの国で海底ケーブル切断によるインターネット封鎖などもありましたが、そのような物理的原因以外でも何らかの理由でインターネットが突然死するなんてこと、ないのでしょうか。
そもそも私は今でさえ、インターネットの進化にまるでついていけていないのです。近年はどの銀行もマネー・ロンダリングの温床となるような口座の洗い出しをしているようで、封書やハガキで確認が来ます。これは郵送なので信じられます。無料で大量に送れる詐欺メールに比べたら、郵便料金は馬鹿高いので詐欺に使われることが無いからです。ところがハガキを読んだところ、QRコードからスマホで何やら回答し、運転免許証などの証明書もフォト機能で撮影して送ることになっています。普段、非常用にしかスマホを使っていない人にこれはハードルが高すぎます。万一証明書の写真がどこか別のところへ行ってしまったら取り返しがつきません。データ化されたものが誤ってどう扱われるかと考えると、背筋が寒くなり、すぐ電話して、「郵送にしてください」と頼みました。「数カ月かかりますがお待ちください」とのこと、私に何の不都合もありません。
詐欺メールは相変わらず来ています。「緊急」、「最終」、「警告」、「確認」、「照会」、「アカウント」、「お支払い方法」、「お支払金額確定」、「自動退会処理」、「更新できません」、「ログインはこちら」等の文字があったら詐欺メールです。タイトルや送り主の名前が「国税庁」、「e-tax」、「〇〇銀行」、「△△カード」、「えきねっと」、「eki-net」、・・・等は問答無用で迷惑メール設定をします。万々一ここに誤謬があっても、本当に重要な連絡は書類で郵送されてくるので何の支障もありません。友人も「えきねっと」であやうく被害に遭うところだったと言っていました。本当に卑劣な人たちです。私はパソコン画面を開いて見つけるたびに「迷惑メール」の受信拒否リストに入れていますが、いつも暗い情念が湧いてきて本当に嫌でした。
と、過去形で書いたのは、最近はもう詐欺メールがすぐ分かるので、フィッシング詐欺メール送るような輩をを「フィッシングしてやる」という気持ちに変わったからです。どんどんメールアドレスを変えて送って来るので意味が無いのですが、目障りなので見つけ次第とにかく迷惑メールに指定。ひと月経つ頃には「今月もたくさん採れたわ」と嘲りつつフォルダを空にします。しかし最近は、詐欺メールを送り続けて終わる人生って虚しくないのだろうかと気の毒になり、またクリスマスのこの時は特に、「このような方々も救い主に出会って救われますように」と祈ってしまいます。それにしても私ほど暇人でない人のメールボックスはきっと未開封の詐欺メールで死に絶え、別な連絡手段を使っているに違いないので、詐欺師たちの労力はまもなく無意味なものになって止むでしょう。
このようにガバナンス能力ゼロを自認している私のようなものは、インターネットにはできるだけ近寄らない、他にできる方法があればそっちを使って行うというアナログに戻ればいいのですが、多忙な中にあってそうもいかない方々、また企業や役所の仕事でインターネットの危険から逃れられない方々のご心労はいかばかりかと思います。絶対に安全ということがない以上、大きな被害に遭わぬよう他人事ながら願うばかりです。