2021年7月1日木曜日

「国産品の応援」

  このところ食品の値上げが報道されていますが、これは生活実感と一致します。世界中で人間の生産活動が縮み、原材料の総量が減少する一方、その生産品への需要が減らないのであれば、値上げも当然です。消費は人口動態の変化から導かれる予測値が何年分も前倒しになったような落ち込みようです。感染症の流行以来、手近なところで手に入る食品、日用品以外は通販に頼ることが多くなっていますが、私は可能な限り国産品を購入することにしています。

 これまで書いたデジカメ、桃ジュース、ひのきオイル(虫よけや床掃除にも最適)はどれも非常に良い商品でしたが、もう一つ日本製レースのカーテンについて記します。これは二十年以上使っていた自宅のカーテンが弱ってきたため新調したのですが、このようなものさえ進化を遂げていることが分かりました。私が購入したのは「レースのカーテン」という範疇に置かれていたものの、外からはもちろん、中からも外が見えない、薄手の白いカーテンでした。今のカーテンはUVカット、遮熱が主流らしく、購入品も紫外線や熱はカットしつつ、光の明るさは存分に差し込む製品でした。最初、中からは外が見えた方がいいかなと思ったのですが、そのうちこれはこれでとてもよいと感じました。今までは紫外線を避けるため昼間も一部カーテンを引いたり、目隠しをしたりしていたのですが、今度はその必要がなく、とにかく明るい。これは何かに似ているなと思って考えたら、それは日本の優れた建具の「障子」でした。製作者にそのアナロジーからの閃きがあったのかどうか知りませんが、まさしく布製の障子といった感じです。ふーむ、これが二十年間の進歩かと感心しましたが、あまりにお値打ち価格であることに愕然とし、気の毒になりました。

 食料の高騰は困りますが、消費者さえ「物が安すぎるのでは?」と感じる事態ってどうなんでしょう。「安いだけのことはある」といった粗雑な商品ならいざ知らず、もう十分に優れた魅力ある商品が相当安価な値段でしか流通できないというのは率直におかしいと思います。物には正当な値段があるでしょうに、このようなラットレースを続けてどこに行くつもりなのでしょう。毎日報道される小さな事実の一つ一つが、社会が突然死を迎える前の断末魔の叫びに聞こえるのは私だけでしょうか。国民国家に生きる者として、微力ながら、日々誠心誠意お仕事に取り組まれている方々を心から応援したいと思っています。良い商品に対しては、以前はほとんど書かなかったレヴューも書くようになりました。評価はもちろん「5」。レヴューというより応援レターのつもりです。今のところ外食は完全に避けているので、飲食店、外食産業の応援は無理かなあ。