2021年7月13日火曜日

「もうすぐ普通の風邪になる?」

  英国では7月19日から感染症防止措置制限の全面解除になると報じられています。毎日3万人感染していてもこの判断を下したということは、英国がコロナ感染の弱毒性を公式に認めたということです。すでにワクチンはあり、接種したい人はいつでも接種できるし、経済活動の沈滞ぶりを考えると、あとは「自己判断でどうぞ」ということでしょう。これはこれで一つの見識です。それにしても人口6800万人にも満たない国で一日3万人の感染はすごい。本当にワクチンは効いているのでしょうか。それとも接種していない人が多いのでしょうか。そんな状況でも医療が回っており、重症者があふれていないのなら、コロナはもうただの風邪、といって言い過ぎなら、季節性のインフルエンザ程度になったのです。

 日本では今年になって緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が出されていなかった日数は28日間だけということですが、厳密な意味でのロックダウンもせずにここまできたのは或る意味すごい。オリンピックさえなければもう少し別な対応もあったのではないかと思いますが、緊急事態宣言のただなかでオリンピックをする「柔軟性」は世界の常識を越えています。メリットがほぼ無い状況下で、日本の自己犠牲の精神を全世界に印象付けることでしょう。

 4度目の緊急事態宣言で要請に応じられないほど追い詰められている業界、職種に向かって、経済再生担当相の「金融機関から働きかけを行っていただく」発言には誰もが驚いたはずです。国民との間にプラットフォームが全く共有できていないという、非常に根本的な断絶を感じたのは私だけではないでしょう。そう言えば、以前、新型コロナウイルス感染症対策分科会会長の発言に対し、オリンピック担当大臣は「全く別の地平から見てきた」旨の応答をしていました。同じ地平にいないのなら、言葉が届くはずはありません。

 先日外出してみたら、皆さん普段通りに活動しているようで、交通機関は普通に混雑していました。当たり前です。何らかの宣言が出ている期間が圧倒的に長かったので、出ている状態が「普通」になったのです。みんなの意見は案外正しい。重症病床の逼迫がなければ、最低限のルールを守りつつ、自己判断で動いてもいいのではないかという気がしています。私は自己判断で家にいますけど。