2021年7月11日日曜日

「紅春 183」


 「家にいる間、俺はずっとりくに見張られている」

「私も同じだよ」

 兄の言葉に笑ってしまいました。兄は帰宅するとすぐりくを散歩に連れ出し、外に繋いで夕飯の準備をし、中に入れて食べさせるのですが、その後兄の夕食のお相伴をし、雑用を済ませる間も、入浴する間もそれとなく様子をうかがっているとのこと、「なんか息が詰まる」と言っていました。

 私が帰省している時も、眠っているとき以外は必ず姿が確認できる位置にいて、思わず踏みそうになる場所にいることもあります。最近は夜わざわざこちらのベッドのすぐそばまで来て、寝ていることもあるので、気をつけないと本当に危ない。「あっちにりくのふかふかの布団あるでしょ」と言っても、夏になったせいか平気なようです。たまに起きて手っこを出してきたり、ブルっと体を揺すって気を引こうとしたりするので、こちらも若干寝不足気味。何事か心配でもあるのか、昼となく夜となく一緒にいたいようです。「りくは世界中で一番かわいい子なんだよ」といつも声掛けしていますが、わかっているんだか、いないんだか。