2020年4月7日火曜日

「医師会独自の緊急事態宣言」

 政府の「緊急事態宣言」は実効性が疑問視されていますが、某大学病院の研修医40名による会食からの感染という、あってはならない行為が現実に起きている以上、その発令はもはや不可欠です。これは4月7日の夕方に出されることになりましたが、もう一つの「緊急事態宣言」すなわち4月5日に日本医師会の尾﨑会長が発した「もしも6週間みんなで頑張れたら」を読みました。返す返すも3月下旬の三連休における自粛の緩みが悔やまれますが、さほど長くない全文の中で次のような箇所があります。

・・・ 日本でも多くの人が苦しんでいて、これまでみんなで自粛しながら頑張ってきました。でもなかなか患者さんの数が減ってきません。多分それは日本という国が自由で、それぞれの判断に任されているからだと思います。
そして、いよいよ歯止めが効かなくなって感染爆発(オーバーシュート)の可能性が出てきました。自由は日本のいいところだと思っていますが、このままでは自粛どころではなく、都市閉鎖(ロックダウン)やら、本当に窮屈になってしまうこともないとは言えません。

そして、医師会からのお願いが続きます。

皆さん想像してみて下さい。
『新型コロナウイルス感染症に、もしも今この瞬間から、東京で誰一人も新しく感染しなかったら、2週間後には、ほとんど新しい患者さんは増えなくなり、その2週間後には、ほとんどの患者さんが治っていて、その2週間後には、街にウイルスを持った患者さんがいなくなります。』
だから今から6週間、皆さんが誰からもうつされないように頑張れば、東京は大きく変わります。

 文はもう少し続きますが、私はここまでで既にこの呼びかけに説得されました。素直な気持ちで読める、静かな熱のある言葉だと思います。「現在の日本の状況は感染爆発直前のニューヨークと似ているという人もいますが・・・」との問いに、感染症の専門医が、「今は肺炎で亡くなった方に対して、新型コロナウイルス感染の有無を調べないということはあり得ない。そのうえで、死亡者数を見た時、まだそうだと述べる段階ではないと思う」と答えていたので、「なるほど、では日本のやり方で、皆さん、6週間頑張ってみましょうよ」と呼びかけたい気持ちになりました。もしこれがうまく機能すれば、それこそ他に類を見ない日本方式ということになるでしょう。いずれにしても、オーバーシュートしてからではもうできることはない。時間との闘いです。