正月に寝込んでから体調が戻るまで、なんだか紅茶を飲みたくなり久しぶりに飲んでみたら、ビックリするほど美味しかったのです。子どもの頃からある日本のブランド、あの黄色い地に赤字のティーバッグです。思い出せば、何十年も前は私は紅茶党でした。英国に行ったことのある多くの人がそうであるように、紅茶にはまって缶入りのF&Mを愛用していたのです。美味しい淹れ方も学んだはずですが、今覚えているのはとにかくグツグツ沸騰したお湯を使うことだけです。このやり方でスキムミルクを使って淹れてみたら本当に美味しく飲めて、しかもティーバッグなので後始末はポイと捨てるだけという手軽さ。これは今サイフォンで淹れているコーヒーと比べて、手間と速さで優っています。再び紅茶に目覚めました。
リビングの戸棚には英国から持ち帰った茶器を含めティー用品がたくさんありますが、その中で目につくのは、白地に紺の幾何学模様で二杯用の可愛いティーポットです。これはブレーメンのシュノーア地区の小さなお店のショーウインドウにあった品に一目ぼれして購入したものです。シュノーア地区は石畳に木組みの家が立ち並ぶ、職人さんたちが住む路地で、一階はお店やアトリエになっています。様々な手作り品を売っており、ブレーメンの人気の地区です。ヘルベルトと出会った頃は私は紅茶党で、家ではヘルベルトにはコーヒーを、自分用には紅茶を淹れていたのを思い出しました。それがだんだん面倒になり、加えてドイツでは圧倒的にコーヒーの方が美味しいので、いつのまにか私もコーヒー党になっていったのでした。
以前はF&Mのダージリンが一番好きでしたが、何しろ試した日本の紅茶があまりに美味しかったので、念のため帰省したとき兄にも淹れて味見してもらいました。兄は一言、「旨いね!」と言いましたので、やはりそうかと安心しました。コーヒーも今まで通り愛飲しますが、これはもう「紅茶党復活宣言」をしなければならないでしょう。