三年に一度のガス器具の点検の日程を受け取り、福島滞在の時期に重なっていたので、インターネットで日程変更することにしました。なんと翌日から受け付けておりましたが、一日で台所をきれいにする自信がなかったので翌々日にしました。やってきた作業の方は、給湯器、ガスコンロを点検して「異常は認められません」と判断しながら、機器の使用開始から二十年たつことに驚いていました。業者がよく交換を勧めに来てその巧妙で強引な手法に引っかかって交換した世帯もあるようですが、私はもちろん壊れるまで交換はしません。当たり前です。私の住む階では交換していないのはうちだけかもしれません。私は物もちがよいのです。ガス機器に限らず、家の中の設備や家電にはポンと機器を軽くたたきながら、「いつもありがとね」と感謝の気持ちを伝えているのです。うるさい業者の撃退法は、まず「管理組合を通してください」と言い、「これは各戸対応です」と言われた場合は、「では、うちは結構です」と言えば済みます。今回、ガス点検業者から「支払いを電気とまとめると安くなります」との提案がありましたが、この集合住宅は電力自由化になった時、東電ではなく別の所から一括購入しているはず…。この場合はどうなるのかについて、業者の方も確言できませんでした。ま、いつもより2カ月ほど早く台所の大掃除がすんだことでよしとしましょう。
どんなことでも「○○すると安くなる」という勧めには乗らないことにしています。スマホ決済の不手際が某巨大流通企業で発生したばかりですが、私の感覚では、アプリによる商品購入の決済が預金口座から直接できるなどという恐ろしいシステムを「みんなよく使えるな」というのが正直なところです。これほど詐欺が横行している現在、私はよく知らないことについてはわずかばかりの節約など考えず、個人情報を抜き取られるといった重大なリスクばかりでなく、プライベートな生活を覗かれるといった可能性も不愉快なので、安んじて損する道を選ぶことにしています。
先日来、かんぽ生命の保険の乗り換えにかかわる悪質な勧誘方法が問題になっていますが、私も危ないところでした。他の手続きでお世話になっていたこともあり、乗り換えの手続きをしてしまったのですが、家でよくよく考えて取りやめることにし、事なきを得ました。この事件が明らかになる前のことですから、土壇場で自力で正しい判断をできたのはただ自分の違和感に従ったことによります。こういうセンサーは常に磨いておかなければならないと改めて肝に銘じました。もう少しで3カ月の無保険状態になるところでした。一番許しがたいのは、こういう勧誘をお為ごかしで行ったことです。問題のある行為をする人はたいていそうです。油断も隙もありません。「相手の利益を図って」というようなアプローチはもう詐欺的危険な手口と断ずる方がよいかもしれません。こうして人間に対する信頼が社会的規模で失われていくのです。次々に提出される新しい商品は、あらゆる分野で余裕を失った厳しい現実を反映して、明らかにどんどんジャンクなものになっています。以前よりはるかに低価値なものをうまく糊塗してよく見えるようにしているだけです。こういう時は「動かない」のが骨法でしょう。