2019年9月18日水曜日

「五十肩」

 ひどい目にあいました。右肩に感じていた違和感が2、3日で痛くなり、耐えがたいほどになりました。自分には来ないと思っていた五十肩だろうという予想がつきました。私の場合、たいていの体調不良は睡眠で治るのですが、今回は寝返りも打てない痛さで睡眠がとれません。或る年齢になれば皆が通る道にある、昔からある病だからと言って、それだけ症状が軽いというわけではありません。翌日、ぼーっとした頭で動けそうになかったので「今日は一日横になっているしかないな」と、うとうとしていたのですが、よく働かない頭でもわかったのは次のことです。
「そのうちよくなることはない。こういう治療は早いに越したことはない。」
それで病院に行く決心をしました。なにしろ、腕を上げるどころかちょっと伸ばすのも痛くてできない。右腕はほとんどすべての作業にかかわっているということも今回知りましたが、それはつまり何一つ仕事ができない状態だと思い知ったのです。

 このままでは当分治らないということ以外に、頭をかすめたもう一つの心配は、「五十肩以外の病気の可能性」です。私の世代では、子どもの頃の女子のスポーツと言えばとにかくバレーボールでしたが、子どもの頃ブームとなった女バレのスポ根ドラマでは、主人公の一人が骨肉腫になるのが重要な筋立てになっていました。「骨肉腫」という病気は恐ろしい病として同世代の幼い心に刻まれたはずです。世の中には万一ということがありますから、この疑念だけは払拭しておかねばと強く思ったのも事実です。

 病院に行くと、「今日は混んでいるので、かなりお待ちいただくことになるかも」と受付で言われ覚悟していましたが、30分ほどで呼ばれ、ちょっと拍子抜け。レントゲンを撮っての診断は「大きく言うと五十肩ですが、石灰化が起きています。これが起こると痛みを伴うことが多いです」とのことでした。エコーを見ながら肩に痛み止めの注射をしていただき、痛み止め(痛くないときは飲まなくてよい)を二週間分処方してもらって帰ってきました。

 痛み止めの注射と薬のおかげでそれからはまあまあ普通に過ごせ、夜はよく眠れました。翌朝起きたら「あ~、嘘みたい、両手が上がる」とうれしくなり、朝のウォーキングにも行けました。体の一か所が悪かっただけで、何する気も起きなかった前日が嘘のようです。しかし、痛みというのは医学的には電気信号のはずで、痛み止めというのは神経ニューロンのシナプスの電気信号伝達を遮断する働きをするはずのものと考えると、痛みの原因の治療にはならないのではないかと思ったりもします。石灰化というのは体の組織へのカルシウムの沈着ですから、これはカルシウム摂取過多のせいなのか? 確かに乳製品は好きだが、ヨーグルトメーカーを買ってからはそれが加速している気もする・・・。ま、いろいろ考えるときりがありません。五十肩が一生続いたという話も聞きませんから、ここは「そのうちよくなる」と、深く考えないでいるのがよいでしょう。それにしても医者はやっぱりすごい。これは医者のせいではありませんが、治らない病気でずっと通院してきたので、こんなにはっきり効果が出るとは、「医者に行ってよかった」と久々に思える出来事でした。