「姉ちゃん、明日からいないからね。兄ちゃんの言うことよく聞いて頑張ってください。兄ちゃんは忙しいから、わがまま言って迷惑かけてはだめだよ。」
何のことはありません。りくがわがまま言うのは私に対してだけなのです。兄の話では、通常の生活に戻るのに少し時間がかかるそうですが、その後はお利口に留守番しているとのこと。
先日福島を離れるとき、いつものように早朝暗いうちから起きて、りくの散歩をし、おにぎりを握り、部屋の片づけをして荷物をまとめ…ということをしていたら、りくはやおら階段の下に行って上に向かって吠えていました。こんなことは初めてで驚愕しました。
以前私が早朝コンビニに買い物に行った時も吠えましたが、これは「姉ちゃんがいなくなったから探して。」です。また兄が車で迎えに来る前に、「姉ちゃん連れてくるからね。」と言った時も吠えて大騒ぎとなり、それが禁句になったことは書きました。これはこれから起こることへの期待でいっぱいになったとも考えられますが、単に「姉ちゃん」という言葉に過剰反応しただけという可能性もあります。
しかし今度は、私の動きを分析してこれまでの経験からいなくなると予測し、「姉ちゃんいなくなるから、止めて。」と兄に助けを求めたのです。犬に未来という時間の観念があるのかわかりませんが、りくにはこれから起こることの予測はたっているのです。そして自分ではどうすることもできない事なので兄に助けを求めた・・・犬としては驚くべきことです。りくはどこまで賢くなるのでしょう。普段、私が手玉に取られてしまうのも無理からぬことかもしれません。