2015年4月21日火曜日

「いろいろな聴き方」

 視力が落ちてから時が過ぎ、最近では本を読むという気力がとんとなくなりました。その代り、多くの情報を「聴く」ことによって得るようになりました。テレビやラジオはそのまま聞けばよいのですが、活字になっているものでも電子データであればパソコンで読ませることができるので、本当にありがたい時代だなと思います。

 読むのと違って聞く方は例えば家事をしながらでもできるので便利といえば便利です。コードが5メートルもあるヘッドフォンを購入し音源に付けると、家の中で普段生活する範囲をだいたいカバーできるのでなかなか快適です。こんな厚い本はもう読めないだろうと思っていたものでも、電子データをコピーしワードに貼れば聴くことができるのです。旧約聖書などもそのうちの1冊です。著作権が切れた口語訳ですが、新共同訳より優れているところもあるし、長いことこれが使われていたのですから問題はないでしょう。音声ソフトの読み違いはありますが、これも頭の体操と思いながら聴いています。

 もちろんパソコンとつながれたままでは不便なので、ものによっては音声データをICレコーダーに入れています。これなら身軽ですし外でも聴けます。もともと音声データになっているものはらパソコンを使ってレコーダーにコピーして入れればいいし、そうでない場合は時間がかかりますが、音声を流しながら録音し音声データにします。雑音も入りますが気にしません。

 ところが最近、紙に印刷された情報を「聴く」可能性も少し真面目に探ってみようかと思うようになりました。以前からある方法なのですが、OCRソフトを用いてスキャナーで紙ベースの情報を読み取り、文字データに変換するのです。教材などを作るとき使用したこともあったのですが、機器がかさばるわりに読み取りの精度が低かった記憶があり、使う気にはなれなかったのです。(盲学校には「よむべえ」というパソコンなしの単体で使える機器がありましたが、やはり小さいとは言えないし、何より高額でした。) しかしひょんなことから、家庭用のプリンターに今はコピー機能がついていることに気づき試してみたら、以前より格段に読み取りの精度が上がっていると感じました。探求の余地はありそうです。完璧な正確さを求めず話の概要がわかればいいだけならなおさらです。あまり長いものは無理にしても、もう一つ「聴く」手段が見つかってなんだかわくわくしてきました。