私の連れ合いはドイツの人でした。
毎夏、フランクフルトを訪れると、彼自身は絵画にさほど興味がないにもかかわらず、必ずシュテーデル美術館 Städelsches Kunstinstitut und Städtische Galerie に連れて行ってくれました。ここは静寂に満たされた館内で、私はほぼいつでも「地理学者」を一人で鑑賞できました。
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「僕は向こうのソファーで休んでるから、好きなだけ見てていいよ。」と彼は言い、私は好きなだけこの絵を眺めました。幸せな時間でした。でも困ったことに、絵を見飽きるということがないので、やはりどこかで切り上げなくてはならないのでした。
天気のいい日にはそれからリービークハウス Liebieg Hausまで歩いて行き、気さくなカフェの美しい中庭で軽食をとるのが毎年のならわしでした。