2012年11月29日木曜日

6枚目の絵 「天文学者 Der Astronom 」


 この絵は、6枚の中で唯一実際に見ていない絵です。
ルーブルは2、3日かけてじっくり見たい美術館ですが、なかなか機会に恵まれず今日まできてしまいました。

 いつか、連れ合いと一緒に行くはずでした。しかし、それがかなうことはもうありません。彼が天に召されたからです。今後、私が一人でルーブルなりどこへなりへ行くことはおそらくないだろうと思います。 

 言葉の問題もあり、これまでフランスを訪れたのはほぼアルザスに限られています。覚えているのは、コルマールにあるグリューネヴァルトのイーゼンハイム祭壇画 Isenheimer Alter を見に行ったことです。悪魔の誘惑を受けるアントニウスのすさまじい形相が忘れられません。その絵のことを私は知らなかったのですが、見ることができて本当によかったと思いました。どうして私が見たいと思うものがわかるのか不思議でした。

 フェルメール・カフェでは、「天文学者」と「地理学者」は西の壁面に仲良く並んでいます。対になる作品ですから、それが一番落ち着きがよいようです。

  傑作と呼ばれる世界の絵画は、人類共通の財産として美術館で鑑賞すべきものという考えもありましょうが、これら6点の絵画は、私にとっていつ眺めても思わず見入ってしまう、どうしても手元に置きたい絵画なのです。