11月は兄の入院もあって前半に2回帰省したため、12月は六週間後のクリスマスの時期の帰省となりました。前々日に連絡した時に「どんな具合?」と聞いたら、「あれから一度診察があったけど、異常無しだった」との答え、また「生活を変えた」とも言っていました。何事もなく過ぎて安堵する一方、後半部分に関しては、私は結構半信半疑でした。人間そうそう変わるものではありません。
これまで兄の場合極端な夜型で、私とはすれ違いが多く、超朝型の私が起きる頃寝るような生活でした。朝食も、良くて、ブランチ、あるいは一日の最初の食事が昼頃ということもよくあり、とにかく生活時間帯が全く合わないので難儀しました。何かちゃんと話したいことがあってもタイミングが難しく、落ち着いて話す時間が取れない感じでした。
ところが今回帰省してみたら、兄の生活態度が180度変わっていました。朝は6時か6時半ころには起きて、朝食を食べ、散歩に出かけるという生活スタイルになっていたのです。これには本当にびっくりしました。また、カップラーメンやお菓子の間食をやめ、甘い炭酸飲料やエナジードリンクも飲まなくなっていました。これらを備蓄・保存していた棚はすっかり空になっています。今まで買ったことのないブロッコリーやカリフラワーといった野菜、エリンギなどのキノコ類も積極的に食べているようです。
最も困難だろうと思っていた禁煙もできており、タバコはすっぱりやめていました。以前はいくら私が頼んでも隠れて吸っており、私は二階から降りて来る化学物質を押し戻すため、階下で扇風機を回すということまでしていたのです。どうも知人から最初の発作で介護状態になってしまった人の話を聞き、心底反省したようです。
私は今朝、台所のストーブに火を入れ、お湯を沸かして一日を始めました。そのうち、「あ、来年の『ゴミの日の一覧表』出しとかなくちゃ」と考え、その案内を探しました。毎年年の瀬になって、「12月の『市民だより』どこにある?」と聞いて、「どこかにあるはず、いじってない」とのやり取りがあり、やっと見つけ出して冷蔵庫に貼るということを繰り返していたのです。ところが今年は12月の「市民だより」に一覧表がない! 「そんなはずは…」と思ってふと見ると、すでに冷蔵庫に貼ってあるではありませんか。兄は本当に変わった、言ってみれば、「普通の真人間になった」ということを目の当たりにした瞬間でした。
私は本当に驚いています。人間これほど変われるのですね。大げさに言うと、これは「放蕩息子の譬え」を地で行くような話です。放蕩息子は言い過ぎですが、私の目から見るとそれほどの人格の変貌というか、「人が生まれ変わった」感があります。これはもう神様に感謝するしかないでしょう。本当にすばらしいクリスマス・プレゼントをいただいた気持ちです。