この一カ月は自分の容量を超えたハード・スケジュールだったので、「来るかな」と思っていたら、やはり症状が出ました。或る朝、起きられなかったのです。薬を飲む関係上、「朝ごはんは食べなければ」と思ったのですが、食欲は全くなし。それ以上に椅子に5分と腰かけていられない状況で、バナナとヨーグルト、ソイジョイをほんの一口だけ食べて、あとは昏々と眠りました。枕元に水筒とみかんを持って来ておいたのは大正解で、寝たままで食べるみかんの美味しかったこと。「何時間化ごとに目覚める度に水分をとりながらまた寝る」を繰り返し、ほぼ24時間睡眠をとりました。
次の日にかなり良くなっていたのは、今回の症状が風邪やインフルエンザではなく、普段抑え込んでいる持病が疲れのために抑え込めず顔を出したことを示しています。まず全く熱が出なかったのが大きく、ましてや骨粗鬆症剤アクトネル錠という化学物質を体に入れた時の症状とは比べようもなく楽で、ひどさ加減は十分の一ほどで済みました。卵雑炊を作って食べられるようになったら、もう治ったようなものです。ただこの日は、一回の目覚めにつき三時間は起きていられるようになりましたが、まだラジオ体操ができる状態ではありませんでした。直立二足歩行がいかにヒトの身体に負荷を掛ける姿勢であるか、これを手にしたことが人類史上いかに画期的な進歩であったことかを、身をもって体験しました。
三日目にはほぼ平常に戻り、ラジオ体操もできましたが、そのキツかったこと。寝たきりになると一日3~5%の筋力が低下すると言われていますが、これは大変なものです。日頃の貯筋がいかに大切か思い知らされます。そのため、少しでも筋肉を鍛えようと歩いて買い物に行き、好きなものを買って帰りました。こんな時は可笑しなもので、普段食べている「健康にいいもの」は少しも食べたくなく、「食塩が多いから」とか「マーガリンやショートニングは体によくないから」と避けている食品や何やら添加物がたくさん書いてあるジャンクなものを、構わず買い物かごに放り込んでしまいます。全く食欲がないという状態を経験した身体はどんなものであれ食べたいものを拒むほどやわではないのでしょう。