今年の1月は東京でも寒い日が続きました。日中はそれなりに元気でも夕方にはぐったりするほど疲れてしまう私はいつも早寝ですが、日が短い冬場はなおいっそう早寝に拍車がかかります。病院時間で夕飯を食べると、就寝準備を始めます。夕方の訪問者に「すみません、寝る準備をしてしまったもので・・・」と、失礼の弁を述べることもたびたびです。でも、バイオリズムを守るのは健康の基本中の基本なので仕方ありません。
ありがたいことに床にはいるとすぐ眠れ、夜中に目覚めても少しラジオを聞いたり音声による読書をしたりしていると、またいつのまにか眠っています。先日は朝4時に目覚め、布団の中で「ラジオ深夜便」を聞いていると、「明日への言葉」というコーナーで、精神科医で作家の帚木蓬生(ははきぎほうせいさんが話をしていました。「現代において一番重要な力は、ネガティブ・・ケイパビリティ(答えの出ない事態に耐える力)だ」との言葉に、思わずこれはヨブ記の世界だなと思いました。この力の養成はまさしくクリスチャンが絶えず行っていることであり、毎日の生活はほぼこの連続といってもいいほどです。クリスチャンにはこの力は相当備わっているだろうと思いますが、それは対話する相手としての神がいるからに他なりません。この世は答えの出ない問いの連続です。ヨブが一番苦しんだのは神の沈黙によってであり、その長い時間を耐え抜いたことで紙の答えを聞くことができました。布団の中であれこれ考えながら、「さ、また新しい一日を与えられた」とうれしくなるのです。