自分の体のことは結局自分にしかわからないのだろうという思いを強くしています。来院して病名がついても、どうして発症するに至ったかを医者が説明してくれるわけではありません。もちろん症状が和らいで良い方向に向かっているというだけでも十分有難いのですが、最終的には「いかにして」の部分を患者は知りたいと思うのではないでしょうか。そして、それがわかれば、将来的に発症を妨ぐ方法が見つかるかもしれません。
ワクチン接種問題から出発して、自分の病についてきちんと考えてみる気になりました。私の場合、本来元気だけがとりえのように過ごしてきたのに、五十代になって病に襲われたわけがわからなかったのです。このところ自分なりに調べてみてわかってきたことがあります。学術書ではありませんが、一番考える手がかりになったのは『免疫の反逆 自己免疫疾患はなぜ急増しているか』(ドナ・ジャクソン・ナカザワ (著),石山 鈴子 (訳):ダイヤモンド社, 2012年3月)でした。9年ほど前の、まだ自己免疫疾患という言葉が世間に流布していなかった頃書かれた本であり、その後の研究成果には目覚ましいものがあるはずですから、そのまま鵜呑みにすることはできませんが、当事者(患者)にしかわからない様々な事例を自分に引き付けて、「そうだったのか」と腑に落ちることが何度かありました。病というものは一つの原因だけで発症することは少ないものですが、自己免疫疾患の発症に関して大まかに述べると、
①人は日々大量の化学物質にさらされて生きているが、それらが体内に蓄積して臨界点を越えた時に発症する。
②生まれつきっ自己免疫疾患になりやすい因子を持っている場合は、発症のリスクが高まる。
という2点に要約されるようです。これ自体は常識の範囲、当たり前と思う指摘ですが、細かいことに関する情報の中には衝撃的なものもありました。他で調べた情報も取り交ぜて記してみます。
*現代人が普通に社会生活をしているだけで、膨大な種類と量の化学物質を体内に取り込んでいること。
*赤ちゃんにも症候が見られるのは、自然界の食物連鎖の中で最上位にあるのが、母乳を飲んでいる乳児であるため。
*ウイルスの侵入の際、主に体内に取り込んだ化学物質の量が臨界点を越えるなどの要因で、自己の細胞を異物と見なす免疫反応が作動してしまう場合があること。
*ほとんどのワクチンは劇薬であり、インフルエンザワクチン等の不活化ワクチンにはチメロサールと呼ばれる防腐剤(有機水銀)が添加されていること。。
*乳児へのワクチン接種により自閉症が発症したとの裁判が起こされたことがあること。もととなった論文が不正なものとして撤回されたものの、依然として自閉症との関連に根強い疑いを向ける人もいること。
*この病が広く知られていない頃は、症状に悩んだ患者が幾人もの医者をめぐり、診察を受けても診断がつかず、重篤になったり死亡したりする人が少なくなかったこと。
以下、記憶があいまいな部分もありますが、自分が辿ってきた体調の変遷に重ねてみます。
①1999年3月: 都心に転居。皮膚にアレルギー反応が出て、3年ほど続いた。
→ 転居当時は都のディーゼル車乗り入れ規制がまだなかった。大気中の有害物質にさらされたのが原因か。
②2009年12月頃: 新型インフルエンザの予防接種を受け、具合が悪くなる。
→ それまでインフルエンザに罹ったことがなかったのに、この冬のインフルエンザは大変危険と喧伝されたため、初めて予防接種を受けたところ、体調が悪くなり寝込んだ。
以下はこれに関連して、「薬事日報」に書かれていたことの要約です。
「新型インフルエンザワクチン(国産)について、2009年10月から2010年6月までを集計すると、約2283万回接種して、2428件の副反応があった。うち、重篤例は416件で、死亡は133件。死亡の91.0%は60歳以上が占め、70歳以上が78.2%、80歳以上が49.6%となっている。」
「副反応報告のうち、専門家の評価でギラン・バレー症候群が否定できない症例が10件、急性散在性脳脊髄炎が否定できない症例が5件あった。また、アナフィラキシーの可能性があるとする報告121件のうち、55件で確実性が高かった。間質性肺炎の増悪が否定できない症例は7例だった。」
「一方、季節性インフルエンザワクチンは2009年度の集計で、約4159万人が接種し、企業が報告した重篤な副反応症例は120件。このうち回復・軽快は68件、未回復141件、不明26件、後遺症あり3件、死亡9件となっており、ワクチン接種との因果関係が否定できないとされた死亡も1件あった。」
こうしてみると、季節性のインフルエンザワクチンに比べ、新型インフルエンザワクチンはいかに副作用の強いものだったかわかります。なかでも免疫性の副作用症状が多いことが大変気になります。(副反応などという言葉のごまかしはやめて、はっきり副作用と書いてほしい。) にもかかわらず、このワクチンに対して、専門家の評価は、「大部分は、基礎疾患の悪化や再発による死亡の可能性が高いと考えられ、死亡とワクチン接種との明確な関連が認められた症例はない」とのこと。4159万の接種し重篤例120件の季節性ワクチンに対して、新型ワクチンは約2283万回接種し重篤例416件、すなわち重篤例6倍以上、死者10倍以上でもこの見解なのです。私にわかったのは、専門家の言うことを信じてはいけないということだけです。ワクチン自体が基礎疾患の悪化を引き起こしている可能性を無視しているのです。
このワクチンの危険性に関しては、既に2009年12月11日時点で『週刊朝日』で取り上げられ、「新型インフルエンザワクチン接種後26人死亡 『死にすぎ』の怪」という記事が出ています。1~2カ月で26人死亡というのは、先ほどの2009年10月から2010年6月までの集計結果、死亡133人というのとほぼ符合します。
日経メディカルによると、東京大学医科学研究所の上昌広准教授(当時)が取材協力し、「マスメディアが高齢者への新型インフルエンザワクチン接種の危険性を指摘したのは、これが初めて」と述べています。さらにご自身が、11月21日に厚労省で開催された「新型インフルエンザワクチン予防接種後副反応検討会」と薬事審医薬品安全対策部会安全対策調査会の合同部会の資料を読んで死亡人数の多さに驚き、これまで「持病を持つ高齢者は、新型インフルエンザに罹ると致命率が高いため、ワクチンを打つべき、また、確実に免疫を獲得するために、1回よりも2回接種が好ましいと主張してきた」ことを詫びています。11月21日の検討会において、21の死亡報告例のうち、19人が何らかの基礎疾患をもち、17例が70歳代以上の高齢者であること、また、14人がワクチン接種後2日以内、7人は接種後24時間以内に死亡であったと明かしたうえで、「持病を持つ高齢者には新型インフルエンザワクチンの接種は危険な可能性がある」と述べています。
私は自分が体調悪化を起こしたことを報告すべきだったと悔やんでいます。そういう人は他にもいたことでしょう。死ななくてよかったとゾッとしました。この時点で私は自分に持病があるとは思っておらず、発症前だったのかもしれないのに、この時のワクチンに含まれていた有機水銀が自己免疫疾患へのトリガーになったように思えてなりません。それにより、ウイルスに対してだけでなく自己の免疫細胞に対しても攻撃を開始したとするなら、具合が悪くなって当然です。
新型コロナワクチンの接種が迫ってきた今、このようなワクチンの危険性、とりわけ基礎疾患を持つ高齢者が接種することへの危険性が強くアナウンスされていないように思います。「高齢者をコロナから守るため」と言っても、逆にワクチン接種が命を危険にさらすという方もいるに違いありません。調べれば誰でも同じ結論になると思うのですが、ここまで調べることを自己責任として、このまま皆で接種の方向に向かってよいのでしょうか。なお、ファイザーのワクチンの成分表には、マイナス70℃での保管というだけあって、防腐剤としてチメロサール(有機水銀)は見当たらないようです。別の名で入っていたらわかりませんが。
③2010年6月: 腸にひどい炎症を起こし入院
→ 連れ合いが入院中のホスピスにて亡くなるという出来事があり、心身に最大級のストレスがかかったことは間違いない。当時は「ストレスが原因」と診断されたが、今になって考えると、強いストレスがかかったことで発症していた自己免疫疾患のスイッチが入り、免疫系が制御不能となり、腸の自己細胞を攻撃したものと考えられる。外科的な検診はすべて異常なしの診断結果で、結局対処療法しかできず、炎症がおさまった時点(十日ほど)で退院となった。
④同8月: 再入院
→ 6月の時と同じ、腸の炎症で再び倒れ、入院。連れ合いの葬儀(日本でいう納骨)のため、心身の無理を押してドイツまで出かけたため、6月と同じメカニズムで発症したものと思われる。今度は大学病院で徹底的に調べてもらったが、やはり外科的には全く異常なし。二週間近く仕事を休んでの入院はつらかった。腸の症状がおさまったところで退院。
⑤同9月頃?: 自己免疫疾患と診断される。
→ 入院が大学病院だったため、カルテが他科に回されたらしく、内科に通院して自己免疫疾患と診断された。診断がついたことで次に進めたのが何よりよかった。あれから十年以上たった今きづいたのは、連れ合いの逝去がなければ、「体がだるさは歳のせいかな」と勝手に解釈して病院に行こうとまでは思わず、どんどん症状が進行していただろうということである。自己免疫疾患は早期に適切な治療がなされれば重篤にならずに済む場合も多い。発症から一年も経たずに診断がついたのは幸運だったというしかない。あのような時にも確かに神様は私とともにおられたのだとわかった。
なお、今になって私には遺伝的な因子もあったことが判明しました。母の病歴を思い出すと、その当時は独立した病名を与えられていたので気づきませんでしたが、今では自己免疫疾患という大きな括りの中に入れられているのです。夕方になるといつも横になっていた母の姿は今の私とと重なるものがあります。
今回思わぬきっかけから、素人考えながら自分の体質、自分の病について解明できた気がします。特に持病を持った体にとって、「してはいけないこと」が明確になったのが何よりよかったことです。他の方には安全なことでも自分には致命的なことがあれば、自分で避けるしかありません。自分の体は自分で守るしかないのです。大事なのは病気を治すことではなく、生き延びることです。或る病気の予防や治療の過程で死んでは元も子もありません。ウイルスとワクチンは今後もイタチごっこを続け、ウイルスの猛威は高まるばかりでしょう。軽く感染して数日寝込んで済むくらいに体力、抵抗力をつけておきたいと思います。