2021年2月19日金曜日

「土鍋で炊くブランド米」

 冬の間活躍した土鍋は場所も取るし、そろそろ仕舞い時かなと考え、ふとその前にご飯を炊いてみようと思いました。普段から使い慣れた方には何でもないことでしょうが、私は初めて。俗に「はじめちょろちょろ、中ぱっぱ」と言いますが、その後に「赤子泣いてもふた取るな」と続くので、絶対にふたは開けてはいけないものと思っていました。でも調べてみると、土鍋の場合はじめから中火でよく、吹いたらへらで軽くかき混ぜると書いてあるではありませんか。その後は弱火で10分、火を消してそのまま10分というので、簡単そう。

 私は舌が肥えていませんが、栄養価には関心があり、このところずっと金芽米を食べています。いつも行くスーパーには金芽米は一種類しかないので、この際通販で取り寄せることにしました。たくさんあるので迷いましたが、某元気印の六十代女性タレントがコマーシャルに出ている山形のブランド米に決定、早速注文しました。

 ブランド米が一般に広く食べられるようになったのは、四十年ほど前だったでしょうか。最初の頃はコシヒカリとササニシキが代表的な銘柄でしたが、そのうち様々なブランド米が作られるようになりました。もう三十数年前になりますが、定年退職した父が今度は異分野を知りたいと望んで、なぜだか県の消費生活センターに嘱託で勤めるようになりました。新しい職場の水になじんで、父は生き生きと働いていました。その頃、続々とユニークな名のブランド米が作られており、仕事に関係あることなのかは定かでありませんが、銘柄の名前を織り込んで、七五調の語呂合わせを作って面白がっていました。私が「そんな名のお米があるの?」と疑いの眼差しを向けても、「全部あるんだ」との答えでした。

あきたこまち の 初恋 は

のぞみ も高き 京そだち

三度のときめき ひとめぼれ・・・・

もっと長かったのに残念ながら忘れてしまいました。ただ、ずいぶん楽しそうだった父の姿はよく覚えています。その頃の銘柄で今生き残っているお米はどのくらいあるのでしょう。

 さて土鍋ご飯ですが、どきどきしながら蓋をとると出来上がりはその名にふさわしいつややかさ。誰が食べても美味しいとわかります。おこげを食べたのは何十年ぶりかなあ。ちなみに炊飯器で炊いてももちろん美味しく食べられます。これからはお菓子を少し控えて、ご飯の健康生活を送りたいです。