2020年3月27日金曜日

「紅春 154」

来月の帰省に暗雲が垂れ込めてきました。都知事の「首都封鎖の」可能性への言及以来、帰郷できるかどうか、できたとしても戻って来られないことになりはしないか、不安です。そもそも東京という都市の封鎖が諸外国同様にできるのか、法的措置はどうなるのか、具体的に封鎖とはどのようになされるのか等、疑問満載です。しかし、東日本大震災の時、新幹線が運休せざるを得なかった6週間ほどは帰省できなかった現実を思い出すと、新幹線にせよ、高速バスにせよ、交通を遮断されたらおしまいだということはひしひしとわかるのです。

 というわけで、こたつの定位置で熱心に毛づくろいをしているりくに
「姉ちゃん、来月来られるかどうかわからないよ」
と話していると、兄が
「それじゃ、りーくんノイローゼだな」
と、こちらもりくに話しかけています。兄によれば、二階に上ってきたり、風呂をのぞきに来たりするりくの行動は、私がいなくなって三週間目くらいに始まり、それは不安からくるのだろうとのことです。私がいて、好き勝手できていた時のことを思い出すのかもしれません。なにしろ一日最低三回、5~6キロの散歩したり、好きなだけ庭で日光浴をしたりして、優雅に過ごしているのです。散歩の要望に応えるため、私もそれなりに体力を使いますが、これは体にはよいのかもしれません。外出禁止令の出ているヨーロッパのどこぞの国で、犬の散歩の外出は認められているので、近所で犬がひっぱりだこという話を聞きました。人間はいいけど、犬は散歩過剰で疲れきっているという笑えない話です。りくの場合は、よその人との散歩はそわそわしちゃって、きっとすぐ家に帰りたがるだろうから無理だろうな。