先日自宅からとある大江戸線の駅まで行く必要があり、私は、私鉄・JR・東京メトロ・都営地下鉄・都バスを組み合わせての最適経路を考えていました。「都バスで主要駅まで出て、私鉄に乗り、あと1キロほど徒歩というのが、その時の体調を含めて最適解だな」と、ほぼ決めかけたその時です。ふと、「徒歩の部分に当たる交通手段は何かあるかな」と調べたら、ほとんど未知のKKバスが浮上しました。しかし驚いたのは、そのバスが結んでいるルートです。一方の端は「住みやすい街ランキング」でいつも上位にくるあのJR駅ではありませんか。頭がぼおっとしたのは、その駅に向かうKKバスが家の前を通ることを思い出したからです。つまり、家からKKバスの乗り換え1回だけで目的地に着けることがわかったのです。KKバスは都心とは逆方向に行くバスという先入観があり、利用できる交通手段の範疇になかったので、思いつきもしませんでした。私は想定外の事態に対応するのが苦手ですが、この場合どう考えても最も便利で早い最適な経路なので、即決です。さらに調べたら、十円玉のへりで番号を削り取るタイプの、いつの時代のものですかと思えるような一日券があることがわかりました。都バスのようなICカードではなく運転手さんから買えますが、ホームページの案内には「売り切れの場合があります」といった趣旨のことが書いてあり、なんだかハラハラします。
今週の通院に際してKKバスを利用してみようと思い立ち、事前に乗り換え時間や乗り場を確認して乗ったのですが、乗り換え用として胸の内ポケットを探ったらない! そういえばさっき何かがスルリと落ちた気がする…。入れたつもりでポケットに入らなかったのだと認めざるを得ず、時間はあるので予定していた乗り換えのバスを見送り、降りたところまで少し戻ってみることにしました。すると降車ロータリーの水たまりのそばに、若干濡れた状態でしたが、一日券が落ちていました。開いてみると、削り取られた日付の状態は忘れもしない自分の作業の跡が認められました。これが見つかったのは奇跡的です。私もしぶとい。病院に着く前にぐったり疲れたものの、十分間に合って1コイン(500円)で往復できました。KKバスの良いところは病院までバスが乗り入れていることで、帰りに用事がなければ雨や猛暑の時などは本当に便利ですから、選択肢が増えて、これはうれしい。何でもやってみるものですね。