2019年2月19日火曜日

「紅春 134」

「四季の里でライトアップしているみたいなんだけど、りくと行く?」
「いつ?」
「今」
 1月中頃の会話です。兄が急にどこかへ行こうと言うのは、いつも写真を撮るのが目的です。最近一眼レフに凝っていて、腕を磨いているようなのですが、遠景、近景を撮るのに被写体が必要なのでしょう。以前も四季の里の裏側に出る林の中を通って、落ち葉を踏みしめながら遊歩道を歩いたことがありました。夜景となるとまた違った技術が試されるのでしょう。急いで準備して出かけましたが、暗くなってからりくを連れてのドライブは初めてです。(私が不在の時、パニック症状を起こして強制的に病院に連れていかれたことのあるりくは2度目。そんなこともあったなあ。) 

 その日のりくはよく見えないのが却って幸いしたのか、いつもより落ち着いていました。到着してみると、思っていたより暖かく、割と人出はあって、静かな夕べでした。入ろうとして、「犬は入れない」という問題発覚。すまなそうに告げるおじさんの前で、りくはその時一番してはいけないことをしようとして踏ん張っており、「ああ、すみません」とりくの落とし物を始末して園外へ出ました。代わる代わるりくの番をすることにして、イルミネーションを楽しんできました。りくにも園外からライトアップを見せましたが、まったく関心なし。知らないところに行くとりくはすぐそわそわしてしまい、「兄ちゃん遅いな。早く帰ろう」と言ってくるのです。ほどほどに切り上げ、なんだかちょっと疲れましたが、よい夜の散策でした。
*写真は遊歩道を歩いた時のもの