今年は秋バテがひどいらしいと聞きましたが、もしかするとそれかも知れません。なんとなく体調がすぐれない、体がだるい、夜熟睡できない・・・というのが主たる症状のようです。夏の暑さとそれゆえの冷房の多用による自律神経の乱れが原因とのことですが、私にはそれ以外にも思い当たる原因があります。一つはずっと理事会の仕事に忙殺されていたため、バイオリズムがここ何カ月も乱れていること、もう一つは一般社会的にも自分の周辺的にも最近あまりよくないニュースが多いので、自分自身は何不足なく暮らしているものの、気が沈みがちだということです。友人ほか幾人かの人のことは、いつも祈ってはいるのですが。
ラジオから流れていた医者のアドバイスによると、夜は白湯を飲んで早く休み、運動はちょっとだけ体に負荷をかけるようにして、徐々に元の生活に戻していくのがよいとのこと。まず起床時間を固定するため、以前は同じ時間に起きられていたので必要なかった目覚ましをかけるようにしました。運動と言っても朝のウォーキング程度ですから、せいぜい早歩きか一歩を大きくとりながら公園を一周半し、ラジオ体操をする。帰りは、必要があれば少し大回りして24時間営業のスーパーに寄って帰ってくる・・・・を続けていたら、体はだいぶ戻ってきた気がします。
問題はやる気が出なくて何もできないことですが、こちらはなかなか元に戻りません。こんな時は作業に限ります。家事では精神統一のごとき掃除やアイロンがけをし、またそれなりに楽しく時間を無駄遣いできる料理をする。こういったものは、やる気が充実している時はつまらなく思えて疎かになるので、こんな場合は気が晴れる作業です。片付けなどはよく精神科医が患者の治療に用いると言いますが、よくわかる気がします。材料がいろいろな変化を見せる料理も興味深く思えます。それと、家事ではないのですが、私にとってはなくてはならないこととして、紙ベースでしか手に入らない読み物を文字データにするという作業は、こんな時にうってつけの作業です。機械的な作業ですし、やる気がない割には集中できるのです。
もう人口減少社会は始まっており、これからさらに全てのことが収縮していくと思ってよいでしょう。こういう時こそ広々とした開かれた心持を持つ必要があるのですが、なかなか現実には難しい。せめて、よいことはまず起きないと覚悟して、小さな幸せを喜ぶしかないのでしょう。ああ、忘れていました。今年は日本人科学者のノーベル生理学・医学賞受賞がありました。あれは大きな幸いですね。でも、それも何十年も前の基礎研究に与えられたもの。日本の教育環境がこのままなら、いつか「最後の日本人受賞者は〇〇だった」と語られる日が来るでしょう。「目先の利益しか頭になく、将来に対しては無為無策な人たちに国を任せて、みんなよく平気でいられるな」と思うと、中休みの期間はどんどん延びそうです。