2018年4月14日土曜日

「春のピクニック」

 今年は桜の開花が異常に早い年でした。毎年この時期の楽しみは、東京と福島の両方で桜が見られることなのですが、やきもきしたのは逆のパターンになりそうだったことです。福島で「東京の桜、満開」の報を聞き、帰る頃はもう散ってるかなとがっかりしていたら、途中肌寒い日が何日かあったためギリギリ最後の桜に間に合いました。福島の方はもちろん無理でしたが。

 こんなふうに書くとまるで私が花見フリークみたいですが、どちらかというとこの時期の千鳥ヶ淵や上野などを思い浮かべただけでぐったりするタイプです。私が好きなのは、普段のウォーキングで近所の学校の校庭や公園の桜をゆっくり眺めることで、明け初める水色の空を背景に見る桜の花ほど美しいものはありません。先日は急に思いついて、友人とたまたま空いている日が一致したので、葉桜でもいいやとピクニックをすることにしました。場所は一度案内しておきたかった近くの大きな公園です。

 ピクニックという言葉の響きはふわっとした幸福感を運んできます。朝早く起きて、お弁当を作る。おにぎりやサンドイッチ、おかずは手がかからずすぐできる(卵焼きは欠かせません)をパパッとまとめて箱に詰めて出来上がり。この朝のバタバタ感がいいのです。水筒には冷茶と熱々のサイフォン・コーヒーを入れて、いざ出発。公園内をとりとめのない話をしながらゆっくり歩いて、ちょうどよさげなテーブルもあるベンチに陣取りました。桜はほぼ終わっていたのですが、開催される桜祭りは何とその週末とのこと、その狭間で混雑していなかったのが幸いでした。ぼおーっと子供の頃の遠足やピクニックの思い出を話しながら、お弁当や友人が持ってきてくれたお菓子をつまむ・・・。新緑の5月のような気候の日で、本当に気持ちのよい季節を堪能しました。友人の指摘になるほどと思ったのですが、周囲にいるのは男性のお年寄りの集団で、穏やかに話しながら集っているのはおそらく毎日の日課なのでしょう。やがてお昼前に静かに挨拶を交わして三々五々散って行きましたが、このあたりは女性陣が徒党を組んでバスツアーや有名店のランチを楽しんでいるのとは対照的です。毎日なんとなく集まって情報交換を楽しんでいる様子は近くにこのような公園があるからこその光景で、とても好感が持てました。この日はずっとしたかったピクニックが久しぶりにできて、大いに満足しました。