東京で20センチを超える雪が降って大混乱になった時、福島の積雪も若干多い程度でした。私が上京するのは3日後だったのでなんとかおさまるだろうと高を括っていましたが、今年最強の寒波はなかなか去らず、陽が出ないので道路の雪が溶けません。二日目になっても首都高は混乱しているらしく、私が乗る時間のバスは運休が続いていました。明日が帰京の日という晩、雪は降り続いており、夜の散歩から帰ったりくと兄が真っ白な雪ん子になているのを見て、私は恐れをなしました。今この状態では明日はどれほど雪が凍結し、危険なことかと思い、バスではなく新幹線で帰る決心をしました。
早朝に起きてみると冷え込みがひどく、水道も凍結しかけており、洗面所に置いてあったコップがへばりついて離れない、台所の濡れたタオルが凍って棒状になっている等の異常がみられました。そう言えば、このところ台所の野菜かごに入れていた野菜やバナナがなんとなく凍みており、オリーブ油もほぼ凍っています。南極では食料品が凍るのを避けるために冷蔵庫へ入れるという話が現実味を帯びて感じられました。
結果から言うと、その日高速バスは平常運転だったようで、一瞬失敗したかなと思いました。東京に着くと地面にほぼ雪はなく、「道路が乾いてるって素晴らしいな」という以外の言葉が見つかりません。ただ、その日は夕方に歯医者の予約もあったし、まあ安心して帰ることができたのでこれで良しと致しましょう。新幹線はいつ以来かと考えなければならないほど久しぶりだったので、あまりの速さに新鮮な感動を覚えました。東京は48年ぶりの寒さと言っていましたが、太陽が燦々と照っており、時折吹く風が生ぬるく感じるほどでした。驚いたのは、一度刈り込んで食した後、もう一度根を水に浸けて窓際においた痘苗が15センチほとも伸び、青々としてふさふさと茂っていたことです。悪天候による野菜高騰の折、これはありがたいです。