りくに茶の間で少し早い夕飯をあげてから台所に立っていた時のことです。二杯目のごはんをあげて、「たぶん食べきれずに残すだろうな」と思っていると、しばらくしてりくが茶の間から台所へやって来ました。しかしそのまますうっと茶の間に戻って行ったので、なんとなくいつもと違うと気になり、茶の間に見に行きました。すると、いつもは食べ残しているお皿がすっかりきれいになっていました。
普通の犬には何でもないことなのでしょうが、りくは食が細い犬で食べさせることにいつも苦労しているのです。すうっとやって来たのは、「ちょっと来て見て」だったのであり、「全部食べたよ」だったのです。もちろん褒めてあげましたが、ごはんを食べて「エライ、エライ」と褒められる犬ってどうなんでしょう。