米国の新しい大統領のことでもちきりですが、5歳児にもその論理が理解できるとてもわかりやすい人なのでニュースはどれも同じです。現状よりはましになるだろうと多くの人が選んだ人なのです。グローバル化が行くところまで行って、反対方向に振れ始めたのです。一つだけ見るべきところがあるとしたら(ご本人の企業はどうもそうではないらしいのですが)、国民経済という視点があることでしょうか。どこでも自由に世界中を飛び回り一番快適な場所にいつでも居を移せるグローバリストは別として、問題はその国にしか住めない人、あるいはその国に住むと決めている人の生活を守ることです。人件費やその他のコストがかかろうと、その国に住む人たちを食べさせていくのが国家の務めです。日本でもナショナル・ブランドのように見せかけて実はグローバリストのものである企業が、いわば国の外から国内の法律をコントロールしていることを腹立たしく思ってきた人にとっては、トランプ氏の指先から繰り出されるつぶやきで、まったく逆の効果を瞬時に生み出せることを見るのは胸がすくことでしょう。この点はよく考えてもいいと思います。いずれにしても、常日頃から水、食料、エネルギーをいかに確保しておくか、これが国家の一番大事な働きです。治安の維持、通貨の安定、それに日本の至宝たる国民健康保険の堅持もその上で効果を実感できるものなのですから。
新大統領によって展開されるアメリカの政策の行く末はほとんど見当がつきません。各国の通貨の価値は国際情勢のバランスのもとに動いていくので、これが一番予測できないものでしょう。とても危険と思うのは、現在テルアビブにあるイスラエルのアメリカ大使館がエルサレムに移されそうだということです。これはまずい。わざわざ火種を持ち込むようなものです。これまでも何代かの大統領によって考えられ実行されずにきた懸案の事項ですが、この人は本当にやるかもしれないと思うと眩暈がします。日本の自衛隊にもすぐに関わってくる事柄のはずです。そういうわけで、ネットスーパーで注文したものが届くのをありがたく待ちながら、どういう方向に世界が進んでいくのか考えて疲れてしまいました。