先日バスに乗っていると、年配の方が車輪のついた小さ目の買い物用カートを持って乗り込んできました。ご自分のわきの通路に置いていたのですが、バスがゆるやかにブレーキをかけた時、カートはするすると前方に滑って二段ある階段から落ちて倒れました。あっという間の出来事でけが人等はありませんでしたが、荷物を拾っている持ち主の様子からすると、車輪がいくつか取れてしまったようでした。笑ってはいけないと思いつつも、コントでもこんなに見事に大破しないだろうと思うと笑いをこらえるのが大変でした。この手のショッピングカートを見ると逆の意味で祖母を思い出します。祖母はこのような買い物カートを持ち歩くのを嫌っていた記憶があるのです。小柄な体でさっさととても歩くのが速く、また力持ちでもあった祖母はだぶんあの老人じみた持ち物がいやだったのだと思います。それにおそらくあまり便利ではないことも知っていたのでしょう。
鞄については一家言ある人がほとんどだと思いますが、毎月移動している私も旅行用の鞄はこれと決めているのもがあります。薄いナイロン製の大きな鞄です。荷物を一つにまとめる機能しかない、最もシンプルな鞄だと言ってよいでしょう。一度帰省に機内持ち込み用の小型トランクを試したことがありましたが使いにくかったのでそれきりです。車輪は重いわりにはうまく使える環境が少なく、アスファルトやリノリウムではない地面や床を引いて歩くのは想像以上に疲れます。段差のあるところや会談では持ち上げなくてはなりません。おそらく人が最も楽に物を運べるのは肩にかける方法なのです。背負ってもいいのですが、その場合はある程度形状が限られてきますし、見栄えもちょっと・・・という弱点があります。長すぎず短すぎずという持ち手の長さが重要ですが、そこさえぴったりならこの手の鞄は相当大きくても肩に掛けて運べますし、重くなったら肩を代えて運べばよいのでとても合理的です。逆に荷物が少ない時はへなへなと小さくなります。強度が弱くて不安なものを運ぶ時は、物品自体を緩衝剤で梱包するか箱に入れればよいだけです。今使っているものはずっと愛用しているのでだいぶくたびれてきましたが、次回購入する時も同じものがあればまた買いたい一品です。