2024年12月12日木曜日

「メールアドレスの新設」

  インターネット接続の件でプロバイダと連絡を取ったのを奇貨として、新たにメールアドレスを新設することにした。こういったことにはできるだけ手を付けたくなかったのだが、ここはもう勢いである。迷惑メールが増え過ぎて、大事なメールが紛れてしまいそうになっているのがずっと気になっていた。思い起こせば数年前にプロバイダを変えた時、メールの設定は工事の人にやっていただいた気がする。ネットで「メールアドレスを追加する」というサイトを見ると何だか自分でもできそうな気がするが、ちょっと考えてすぐプロバイダのカスタマー・サービスに電話して、技術担当の方の派遣をお願いした。自分でやって不測の事態が起きた時対応できないし、もし何かの手違いで現在使用しているメールアドレスが使えなくなったら元も子もない。

 予定では「12時から3時の間に伺います」ということだった。ところが1時半を過ぎても「これから伺います」との連絡がなかった。1時間くらいで終わるのかもしれないが、だんだん不安になり、カスタマーセンターに問い合わせる。「確かに予定は入っております。前のところが延びているのかもしれません。お待ちください」とのことで安心して待つ。この時点で私は自分の思い違いに気づく。「12時から3時」というのは私のところで設定にかかる時間ではなく、「その時間帯に到着します」ということらしい。2時半ころ「午前中のところが今終わりました」との電話があり、担当の方が到着したのはほぼ3時であった。

 私としては今後自分でもできるようになるために、メモを取りながら、ゆっくり進めてほしかったのだが、時間的にもそれは望むべくもない。私の後にもスケジュールが埋まっているのである。担当者はまずプロバイダの設定状況を確かめ、それからの手際の早いこと早いこと。マウスではなくタッチパッドを魔法のように操りながら、速攻で設定し終えた。私がしたのは「はい、ここにパスワードを入れてください」と言われたときに、それを入力しただけである。そのうち私の頭に疑問が浮かんだ。「この設定はパソコンごとに行うのですか」と聞くと、「パソコンごとです」との答え。私は愕然とした。家にはパソコンが3台ある。せめてあと1台は設定していってほしい。お願いするともう1台も設定してくれた。この2台だけでも既にバージョンが違うらしく、設定方法の若干の違いを説明してくれたのだが、私は意味も分からないまま書き留めるのみ。途中、「お昼食べてないんじゃないですか」とお聞きすると、「来るときに車の中でパンを食べました」とのこと、あまりに過酷な環境である。唯一私にできたのは、「これをエネルギー補給にどうぞ」と板チョコをお渡しすることだけだった。「わー、仕事に来ておやつもらっちゃった」と歓声を上げ、その方は私のパソコン2台の設定を終えると風のように去っていった。また新たな人手不足を目撃した出来事だった。

 さて、パソコンの新アドレスと自分の携帯メール、およびパソコンや携帯のGメールとの送受信を確認した後、残ったのはもう一台のパソコンをどうするかという問題である。これは非常に古いパソコンで、ソフトのバージョンも十年以上前のものである。だからこのパソコンに関してはもうメールの送受信はやめてもよいのだが、困るのは帰省先に置いてあるパソコンである。こちらは自分で設定しない限り、帰省先では新アドレスへのメールが受け取れないことになる。私はこの古いパソコンを練習台にして自分で設定する作業を試みることに決めた。

 「メールに新しいアカウントを追加」のサイトを見ると簡単そうに書いてあるが、古いバージョンだけに最初の画面から違っている。一応読んで手順を頭に入れたものの最初の感触は「とても無理だな」というものだった。いずれにせよまず必要なのはプロバイダにおける自分の設定状況である。しかしプロバイダのマイページに入るにも2段階認証で、送られて来るパスワードを入力するのに携帯に駆け寄らなければならず、機械に使われている感が強い。肝心の設定状況は、セキュリティが強化されたせいか加入時の設定状況とは異なることが分かった。それとともに、windows 8からwindows 10にアップグレードした時に起こる不具合についての説明もあり、「これもたぶん関係あるな」とチェックした。一日目はこれらの情報集めに費やし、自分なりに「こうかな」と思う入力をしながら試したが、テストメールの送信に失敗し続けた。エラー番号でエラーの原因も調べたが、さっぱり分からなかった。

 翌日、新たな気持ちでトライ。昨夜は睡眠中もずっとこの課題が頭を去らなかったように思う。既に設定が済んでいるパソコンの「メールの設定」を覗いて参考にする。バージョンの違いで細部が異なるため、「これでいいのでは?」、「今度こそいくのでは?」と、試行錯誤で一つ一つ駄目な組み合わせを消していく。あれこれ試すうち、テストメールの「受信メールサーバーにログイン 完了」と出て、夢かと思った。あとは送信メールサーバーだけ。自分でももう一歩のところまで正解に近づいているのをひしひしと感じる。朝8時から始めてお昼を挟んで午後も頑張る。「もう一度初めから・・・」と切り替えてやってみると、今までなかった「自動で設定する」というボタンが現れていた。「古いバージョンだから手動のはず」とは思ったが、取り敢えず押してみる。するとあっという間に「送信サーバーにログイン」も「完了」と出て、テストメールを送信できた。狐につままれた気分だったが、とにかく設定が終了したのである。ほとんど偶然みたいなもので、「自分で設定できた」と言ってよいのか分からないが、目的は達した。この2日間慣れないことで消耗したが、成果があったので疲れも吹っ飛んだ。きっと神様が憐れんでくださったのだと思う。あとはこの練習を踏まえて帰省先のパソコンの設定を成し遂げるのみである。できるかなあ。ま。最近は「すべてが社会勉強」と割り切っているので、駄目元でチャレンジ!