暑さはあと2か月は覚悟していますが、8月7日は暦の上での立秋でしたので、今夏の前半、これまでのところを総括してみます。それはずばり、「猛暑とパリ五輪と経済不安の夏」ではないでしょうか。
猛暑については何度も書いていますが、付け加えるなら「東京では7月の熱中症による死者が123人だった」ということです。「無理もない」と十分納得できる数字で、私も最低限の外出以外は家でエアコンをかけてじっとしていることしかできません。帰省先は東京よりは耐えられる暑さでしたが、今年は午前5時でも暑くて草むしりがほとんどできませんでした。料理をする気にもなれず、兄と車で外食に出るか、調理せずに食べられる惣菜を買いに行くといった悲惨な状態でした。一番困るのは、長引く暑さでウォーキングや運動ができず、筋力低下のためにちょっとした動きで肉離れが起きたり、変形性膝関節症や手足の関節の痛みが次々と起こっていることです。エアコンをかけても眠れぬ日が多く、あと2か月体がもつだろうか、一日も早く涼しくなってほしいと祈るばかりです。
パリ五輪は帰省中かなりテレビを視聴し、堪能しました。やはりスポーツ観戦はラジオでは少々きつい。私が一番驚いたのは柔道のルールが相当変わっていたことです。はるか昔の私の記憶では、柔道は両者ともなかなか組み合わず、何かとてもせこいポイントで勝敗が決まる、全くつまらない試合が多かった印象がありましたが、現在では攻めないと失点するというルールになっていてとても面白くなったなと感じました。実力が試合にきちんと反映するルールを設定することの大切さを知らされた思いです。また、開催国フランスの柔道熱の高さに驚くとともに、世界のスポーツとなった日本発の武道を感慨深く鑑賞しました。あとは何といっても体操男子20歳の「みんなの慎ちゃん」の金メダル3冠(団体総合、個人総合、個人鉄棒)でしょう。内村航平の全く板についていないインタヴュアーぶりもよかったけど。
経済に関しては、新札が7月10日ごろから出回り始め、数字がやけにでかくて慣れないうちはおもちゃみたい。物価高は相変わらず続いており、いずれ必要と分かっているものはさらに高くならないうちにと取り敢えず購入するという買い物パターンがすっかり身に着きました。ちょっと前までずっと、円安が止まらない一方、どこまで続く株高状態となっていましたが、8月に入って激しく乱高下。株価は一日でこれまで最大の暴落(4400円超え)を示したかと思えば翌日には最大の上げ幅(3400円超え)となり、円の価値も150円あたりを挟んで10円以上目まぐるしくかわる状況です。
私は一昨年「経済を学ぶ」というタイトルで次のように記しました。
「日本の経済、特に金融界で扱われている事業はほぼアメリカ直輸入のコピーですが、こういうことに庶民を巻き込むのはいかがなものかと強く思います。金融の強欲資本主義がサブプライムローンという詐欺的手法で奪ったものが庶民の家と暮らしだったことを忘れてはならず、新自由主義者たちは人の道に反する悪徳商品で儲けることに全く罪悪感がない人たちだということを心に銘記すべきです。・・・・不安を煽られて金融経済に巻き込まれていく人が増えるだろうと思うと、やりきれない思いです。
・・・・・・経済をどのくらいのスパンで考えるかにもよりますが、今後マイナス金利が続こうと私のような怠惰な年寄りは「もうこのままでいい」と静観の境地です。金融の世界は』誰かの得は誰かの損』になる世界、一般人が今更ゼロサムゲームに参加しても、投資で飯を食っているプロの餌食になるだけでしょう。日本人は『バスに乗り遅れるな』的掛け声に非常に弱いですが、昨今の投資への煽りはカモを呼び集めている気がして仕方ありません。賭場におけるヒリヒリするような感覚が好きな人、一か八かの賭けに出るところまで切羽詰まっている人、あるいは二十年先まで真剣に考えて策を練っている人でなければ、『みんなやってるし』程度の気軽な気持ちで乗せられてよいのか、他人事ながら危惧しています。なぜなら実感として、今まで政府や金融界が推し進めてきたことで庶民にとってよかったことなど何もなかったからです。・・・・・・」・
また、昨年9月には「経済の仕組み」の中で次のように記しました。
「・・・・・・今では米国との間の互いの経済の在り方は一蓮托生、無尽蔵とも言えるほど増大させ続けてきた実体のないマネーは間違いなくいつかクラッシュするので、これに伴うカオスに付き合わされると思うと気が重くなります。・・・・・
・・・・バブル崩壊以降、特に21世紀の日本の金融政策はただただ国家財政を破綻させないことだけを眼目にしてきたため、ゼロ金利を押し付けられた国民は実質的な大増税を課され、貧困化したためにもはや大好きな貯金をする余裕もなくなったのです。せめて金利が2~3%あったならこれほど惨めな安い国にはなっていなかったでしょう。・・・・・
・・・・日本も低成長およびゼロ金利となって久しく、「失われた三十年」という言葉もあるくらいですから、今後円安が加速するのも確実でしょう。政府は株式市場への国民の参加を大々的に奨励し、個人所得を増大させようとしています。しかし、2024年からの新しい少額投資非課税制度(NISA)に合わせ、ネット証券最大手のSBI証券と2位の楽天証券が9月以降、日本株の売買手数料を無料にするという話を聞くにつけ、そこまでして顧客として大衆を巻き込まないとならないほど追い詰められているのかと、かえって株式市場の危険感が増したと感じるのは私だけでしょうか。・・・・・」
心配していた通り、いわゆる新NISAを始めて、少なくない方が今回の株の暴落で被害を被ったのではないでしょうか。そしてもちろん、不慣れな投資でなすすべなく失ったマネーをごっそり手に入れて大儲けした相場師もいるのです。
株は私には無関係ですが、ただ一つ、最近「これはいかん」と行動を起こしたのは米の購入です。気候変動の影響は米も例外ではなく、どうも米不足になりそうだと聞いて、さっそく通販にアクセスしてみると、なんといつも買っている「つや姫金芽米」5キロがない! あっても1.5倍の値段になっている! まだ3キロ以上玄米があるものの、「食事は米さえあれば何とかなる」と思っている身としては、これは由々しき事態。かろうじてまだあった「まばゆきひめ」5キロを購入することにしました。初めて聞くブランド米ですが、品種としては「ひとめぼれ」らしい。山形の同じ産地の米だし、「ひとめぼれなら美味しいはず」と取り敢えず注文して、ほっと一息ついて到着を待っています。何だか大変な夏です。