通院の翌日は時間をかけて、いただいてきたデータを整理し、自分なりの分析をすることにしています。十年以上通った大学病院から別の大学病院に転院したのは今年の一月、初診の診察では時間が遅くなっていたこともあり、問診と血液検査の指示を受けて終了でした。「今後使いたい」という新たな薬のお話をちらっと聞きましたが、まだ診断を下すデータがないため、処方薬は取り敢えずそれまでのものを引き続き飲むようにとのことでした。2回目の二月の通院は、前回時間的に遅くなってできなかったX線検査をし、異常がないことを確かめた後、診察となりました。問診しながら処方薬の微調整をし、希望通りお薬を二つ削ってもらいました。また、私にとっての新たな薬の処方について具体的な提案があり、これは網膜に影響を及ぼす可能性があるため、私の通院する眼科への問い合わせをしてくださるとのお話でした。
三月の3回目の通院では、新たな薬を試す前に必要な心電図の検査をしてから診察になりました。眼科から「問い合わせのあった薬を処方して構わない」との返信があり、心電図も問題ないということで、この日から新たな薬が処方されました。持病に対して効果があるかどうか、いよいよ試してみることになったのです。担当医は「この薬が効くと思うんだよね」とおっしゃっていたので、私の期待も高まりました。
新たな薬が処方されて7週間目、4回目の通院がありました。担当医が血液検査のデータをプリントアウトし、何やら書き込みながらサクサクと説明していきます。その場では全てを理解できないながら、「どうも結果はよかったらしい」ということは分かりました。おかげで従来からのお薬を少し減薬することができ、とてもうれしく思いました。「これからの季節、紫外線に気を付けてください」との指示を受けて、診察終了です。私はずっと夏でも長袖、冬でも日傘の生活をしてきましたので、言われずともそんな事は訳ありません。減薬できたことでちょっとスキップしたいくらいの気持ちで帰宅しました。
通院日は疲れてすぐ休みましたが、翌日検査データの詳細を分析しました。免疫系の病の治療は、炎症として現れる生体反応を調べ、また徐々に低下していく腎機能の状態や長期にわたる薬の服用で生じる体調の変化について継続的に留意することになります。私の場合、注視している数値は、腎機能に関わる尿素窒素UN、クレアチニン、尿酸値UAの数値と、異物の侵入に対する生体反応に関わる白血球数WBC、総リンパ球数、補体C3の数値等です。尿素窒素は腎機能に関わる値で、不調になると高値を示し、クレアチニンの数値の高さは老廃物の処理が不十分であることを示します。白血球の増加は細菌やウイルス等と闘っている生体反応を表し、総リンパ球(白血球数とリンパ球%から算出)の減少は感染症や自己免疫疾患のリスクの増加を示します。また、補体(或る種の血漿蛋白)は異物の侵入による抗原抗体反応で低下します。すなわち、望ましい状態は尿素窒素、クレアチニン、尿酸値の低下であり、総リンパ球と補体は上昇が望まれます。今回の結果は以下のようでした。
1.尿素窒素UNは1年前の高値から改善傾向でしたが、基準値より少し高かった前回より下がり、ついに基準値内になった。
2.クレアチニンはまだ基準値を超えているものの、前回より改善した。
3.尿酸UAは長らく基準値を超えていたが、ついに基準値内になり、ここ2年半で最低値であった。
4.白血球WBCおよびリンパLYMPHOの値は改善したが、総リンパ数はまだ依然として低い。
5. 補体C3は、残念ながら基準値より少し低下した。
この他に、感染症や膠原病ほか様々な病で体内での炎症が強まると上昇する「赤血球沈降速度:赤沈」という値が劇的に低下していたこと、また「尿蛋白/クレアチニン比」(一日の総蛋白排泄量を導き出すための計算式)の値も大幅に減少していたことなどを確認しました。総合的に見て、これは新たな薬が非常によく効いたことを物語っています。前回のデータの一覧表とざっと比べただけでも、この7週間の間に、10個あった「H(基準値を外れた高値)」が5個になり、依然として基準値を外れているものも良い方向に改善しており、2個だった「L(基準値を外れた低値)」は3個になったものの、これはギリギリ基準値を外れてしまったものであり、あまり心配する必要はないという結果でした。う~ん、これはすごい。私自身、食事、運動、休息に最大限留意しながら過ごしているのは確かですが、現在もたらされた身体状況は明らかに新たに処方されたお薬の効果でしょう。これまで一方が改善すると他方が悪化するという形で、はかばかしい改善がなかった体調が7週間で明らかに変わりつつあります。努力が報われたようで、「また頑張ろう」という気になります。医療の力をまざまざと知らされた思いで、思い切って病院を変えて大正解でした。加齢による通院のしにくさから敢行した転院でしたが、これだけ結果が変わってくるのですから、やはり自分に合った病院を探すのは大事だなと痛感しました。ただこういったことは、タイミングというかご縁というか、たまたま見つかったものであって、何か合理的な理由で探し当てられるものでもない気がします。神様に感謝です。