今年は元旦以来、明るく笑える日がないように思います。ラジオの投稿を聞いていると、日本中がこのことに痛みを覚えていることが伝わってきます。殊に、地震後の環境劣化により災害関連しが止まらないことが報じられるたび、より一層やるせない苦しみが募ります。「いつまでたっても水道、電気が回復しない」、「一年で一番寒くなる時期に、灯油が足りてない」という恐ろしい状況により、低体温症をはじめ感染症の蔓延、疲労、ストレスが限界に達しています。懸命の救助、救援、復旧作業に当たっている方々には本当に頭の下がる思いですが、震度7以降も大きな地震が頻発しており、大局的に見ると、「他の土地に移れる住民は今しばらく一度休養を挟んだ方がよいのでは」との見解も間違っていないように思います。
阪神淡路大震災と比べて、東日本大震災は被害が非常に広域にわたっていたことが特徴的でしたが、まだ日本海側からのルートが機能していたため、人も物流も息をつくことができました。しかし、今回は海岸線の土地が4メートルも隆起したところがあるように、海からのルートも含めて救助に入れない孤立集落が、当初その数を把握できないほど存在したのです。ちなみに土地の隆起は通常一年に1ミリほどとのことで、今回の地震は数千年に一度の現象に当たってしまったようなものだそうです。
新年早々、「元日になんでこんな目に遭わなきゃならんのだ」という被災者の痛切な嘆きを聞きました。その問いに答えられる人は誰もいないでしょう。その後、阪神淡路大震災や東日本大震災の被災者から、仮説生活を経て復興までの体験を綴ったエールも紹介されましたが、今現在の被災地の状況では、これも聞くのはつらい言葉なのではないでしょうか。食事時の場面で、被災地の或る年配の方が、そのような支援を有難く感じながらも、「こうして食事に呼ばれてくるけど、ただそれだけで何の希望もない」と本音を吐露していらっしゃいました。その通りだろうと思います。ラジオには、「私は『前を向く』という言葉が嫌いです」という投稿もありました。心機一転頑張ろうと思うまでには時間がかかります。「とにかく一度休んでください」と大声で言いたい気持ちです。しかし地域住民の郷土愛を推し量れば、集落ごと皆一緒でなければ効果がないと思わされ、何とかならないものかと気を揉むばかりです。いずれにしても、このような折に、人の窮状につけこむ悪質な犯罪を行う者たちだけは決して許されません。