2023年1月10日火曜日

「テラバイトの記憶」

  「天災は忘れたころにやって来る」と言うほど大げさなものではありませんが、帰省先から戻ってきたら、持ち歩いている記憶媒体に不具合が生じていることに気づきました。帰省中に作ったデータだけが失われているか開かない状態になっていました。一応バックアップをとっていましたが、もし壊れた本体をコピー保存したのならそれも壊れているはずです。気の緩みによる大失敗、ホント懲りないなあとがっくり。

 念のため再度コピーを取ってから修復作業に入ればよかったのですが、焦ってあれこれしたのが事態を悪化させたようでした。インターネットで修復法を探し、バックアップを用いて何とか修復できたものもありましたが、結局駄目だったものも2つありました。最終バックアップから1か月過ぎている者もあり、その後の空白に後悔しきりです。

 というわけで、バックアップをもう一つ増やすため、新たに記憶媒体を購入しました。今までで一番大きな容量は500GBで、それさえ半分ほどしか使用されていないので迷ったのですが、初めて1テラバイトのSSDを使ってみることにしました。私には大きすぎる容量ですが、商品の箱には「地上デジタル125時間、BSデジタル88時間」と書いてあります。そうか、世の人はこれをテレビの録画に使うのか・・・と世事に疎い私は納得しつつ、テレビの録画となると1テラバイトでもわずかな時間しかできないのだなと、デジタルの世界の広大さに茫然とする思いでした。

 私の場合はワード文書、エクセルデータ、写真画像、CD音声や読み上げソフトに読ませて録音した音声データがほぼ全てですから、さほどの容量はありません。しかし、写真などはその場その時でしか得られないものですし、自分で作ったデータはまさしくこの世に一つだけのもの、作り直しなどはもうできないのです。また、時間をかけて録音したものももう一度作る気力はありません。当たり前すぎて見逃されがちですが、要するに世界でここにしかないものはどんなくだらないものでもバックアップを複数作成しておかないと・・・とようやく悟った次第です。あとのものは他の方々が保存してくれているのですから。

 記憶媒体商品の良し悪しは不案内ですが、同じメーカーで同じ容量の製品の中から少しでも新しく、それゆえ若干値の張るものを選びました。こんな選び方でよかったのかどうか分かりませんが、フォルダごとに少しずつコピーしたらその速いこと! 何年か前に同じことをした時とは高速度が雲泥の差で感心しました。こういうことにしのぎを削っているのだから、どんどん忙しくなるわけです。折しもだまして入国させた外国人(特に若い人)を監禁し、ひたすらパソコンで詐欺メールを送らせていた大規模な犯罪集団がカンボジアで摘発されたとの報がありました。悪事も高速化、膨大化の一途を辿っています。私にはすでについていけない速度ですが、一度進み出したら二度ともたもたした時代には戻れないのですね。