今回の帰省は秋晴れに恵まれ、これ以上ない清々しい毎日を送れました。俄然やる気が出て、ずっと気になっていた和室の障子張りに着手。ここ十年は貼り替えておらず、南面全部障子のため4枚あり、小さな天井窓も含めると8枚となり、手順を想像しただけで疲れてなかなか手が出せずにいたのです。
前回の茶の間の障子の張替えが頭にあり、2日間見込んでとにかく1枚ずつやるのが鉄則です。作業は前日夕方に「見本となるサイズの型紙を作る」というところから始まりました。上にスライドさせる雪見部分は通常の大きさより長さが短く、それぞれ3枚ずつで1枚の障子が完成します。天井窓の方はそもそも高さが違うので全く別の型紙が必要です。しかしいったん型紙ができると、それに合わせて巻物状になった障子紙を切っていくのは簡単です。必要分のそれぞれのパーツサイズを切るところまで前日作業で終えました。
翌日は障子を1枚ずつ取り外し、そのまま廊下に移動して張り替え。のりの量が大事なのは身に染みており、結局これは指の感覚で確かめるのが一番確実でした。あとは下段から上段に淡々と貼っていくだけ。1枚終わったら嵌め戻して、次、また次…と思った以上に順調に進みました。無心の境地で作業し、家内制手工業の奥義を体得したと感慨もひとしおでした。やり終えた時の気分のよさといったらなかった。いや、実にいい精神療法になりました。次が十年後となると、せっかく作った型紙をまた使う機会はあるのでしょうか。