2022年8月25日木曜日

「薬害事件の教訓」

 魔の事件から二週間、体の痛みは25%ほどに和らぎ、体温も平熱の範囲になったものの、私にしては高めなのでまだ体のそこここに炎症があるようです。一週間目あたりは日によって肋骨の一部、足首、背骨の首の付け根、歯(というよりその下の顎の骨)などの痛みのほか、両手の親指の付け根に強い痛みがありました。いまだ両手の回復は遅く、50%ほどしか機能を発揮できない状態です。

  友人が骨粗鬆症の薬害をいろいろ調べてメールしてくれたところ、発熱ほか体の各部位の骨の痛みが副反応としてあげられていました。「まさにこれだ」と悟りました。思えば子供の頃から、「風邪薬が効きすぎる」などの症状があったのですから、私は化学物質に極度に弱い体質なのでしょう。この事例を盾に、今後新たな薬の処方は断固拒否しようと決めました。不定愁訴外来でもなければ、医者は何らかの医療行為をしなければ診療報酬を受け取れないのですから、どうしても過剰診療や薬の過剰処方になってしまうのではないでしょうか。

 だいぶ回復して一番うれしかったのは、お気に入りの公園まで行ってウォーキングできたことです。自然がどれほど人間を癒してくれるものかを実感します。それから真っ先にしたのはペットボトル(瓶)オープナーを手に入れることです。今は手でなんとか開けられるようになりましたが、今後に備えて形状の違うものを2つ揃えました。これを用いても握力ゼロで蓋が開くかどうかは疑問ですが、気休めにはなります。次におこなったのは美容院に行くことでした。十年以上前に入院した時一番困ったのは髪の手入れです。老いは髪、歯、肌に如実に表れますが、髪は染めてあるだけでだいぶ老齢を緩和してくれます。というより、染めていないと十歳は老けて見えるので、「そろそろ美容院に行かなくちゃ」と思っている時に倒れると、目も当てられないことになるのです。別に人から若く見られたいのではなく、自分がむごい現実にがっくり気落ちしてしまい、病の回復も遅れることになりかねないのです。

 老いというのは誰にとっても未体験ゾーンです。いつも食料は多めに買って保存してあるので、寝込んでいても焦りはありませんでした。早め早めに備えるのはとても大事です。今回のペットボトルオープナーのように、そんなものが必要になるとは想像できなかった事態は今後も起こるでしょう。寝込んで2日目には、「何か口にしておかないと」とゼリーを見つけたものの、蓋のフィルムを剥がそうとして剥がせず、上からナイフを突き立てて穴をあけて中身をえぐり出して食べました。3日目に食事がとれるようになり、それに伴い通常のお薬を飲もうとしましたが、両手の痛さに薬をシートから押し出すことができない、シートを裂いて中身を取り出すことができない、といった状態だったのも驚きの発見でした。こんな何でもないことにもそれなりの力が必要だったとは。あの頃に比べたらできることが増えましたが、まだタオルをきっちり絞ることはできません。この件に限らずこれから起こる様々なことを思うと、日々の健康管理はもちろん、早め・多めの備えと道具の活用あたりが生活を成り立たせる鍵になるのでしょう。