2022年8月17日水曜日

「薬害?」

 素人の直感は馬鹿にできないものです。1か月に一度でよいという骨粗鬆症の薬を飲んだ夕方から、体中が痛くなり、夕食を早めにとって横になりました。夜が更けるにつれ痛みは増し、恐らく炎症を起こしているせいで発熱、「痛い、痛い」と呻きながら朝になるのを待ちました。翌朝体温は38.7℃まで上がっており、昨夜朦朧としながら壁や棚を伝い歩きしてトイレや水飲みに行ったとおぼしき痕跡が床に散らばっていました。手はパンパンに晴れ上がり、痛くて握力はゼロ、歯ブラシを持つこともできない状態でした。体中の痛みを敢えて言語化するなら、「体内で骨が破壊されている」ような痛みといったらよいでしょうか。「救急車呼ばないとまずいかも」と考えながら、電話をするなどという離れ業ができるはずもなく、またコロナ禍の救急搬送の困難も思い浮かんで、ともかく一日ウンウン唸りながら過ごしました。

 その翌日は体温が37.4℃まで下がったため、少し体が楽になり、体の痛みも前日を100とするなら95くらいになっていました。山を越えた感があり、少しずつ潮が引くように痛みが減っていくような体感がありました。それまで水分はほぼデカフェの麦茶でしたが、夕方どうしても飲みたかった桃ジュウスのペットボトルの開封を試み、何度目かのトライで開けることができました。これは前日までは創造することもできない困難なミッションでした。桃は私にとっての療養食、これさえ摂れれば元気になるというジンクスの品です。

 4日目になると熱は37.1℃に下がり、だいぶ楽になってきました。丸二日ご飯を食べておらず、「今日こそは何か食べなければ」と卵雑炊を作って美味しくいただきました。食料は常に多めに買って保存してあるので、こういう時はありがたさが身に沁みます。体にエネルギーが入ると元気が出て、思い切って洗髪と短時間の入浴に挑戦し、成功。ようやく人間に戻れた気がしました。この日は倒れてから初めてパソコンでメールチェックもできました。

 5日目は体温が36℃台の平熱近くになり、下のロビーまで郵便物を取りに行けるほどになりました。ずっと寝ていたので腰が痛くなり、立っている方が楽に感じる日でした。日曜だったのでオンライン礼拝に参加でき、これは3日前には想像すらできなかったことだと、体の回復を神様に感謝しました。

 6日目にはこれまでで最大のミッション、「一番近いスーパーに買い物に行く」を達成できました。重いのを運ぶのは難しいだろうと自転車で行ったのですが、痛くてブレーキがしっかり握れないことに気づき、ゆっくりの移動になりました。この日おこなったもう一つ大事なことは調剤薬局に電話して、事の顛末を報告したことです。病院で病原菌やウイルスをもらったせいかもしれず、薬の副反応ではないかもしれないと断ったうえで、自分の感触としては「何らかの化学物質によるもの」としか思えないこと、「骨粗鬆症の薬が自分には合わなかったのではないか」と告げました。実のところ、この処方薬は普通に使われているようで、ひどい副反応はあまり報告されていないようです。これまでも私は、自分が特異体質なのではないかと思うことがありましたので、誰も責めるつもりはありませんが、起こったことは起こったことです。つらい体験を通して、これを同様の状況にある他の方の便宜に供するため、パソコンに向かえるようになった今、備忘として記すのです。実際、手はまだ相当痛くて、何気ない日常の動作や作業(重めの保存容器を持つ、ペットボトルを開ける、タオルを絞る)も気合を入れないとできないほど難しいです。ただ、ひところの悪夢のような症状を思うと、キーボードを叩けるなどというのは本当に夢のようです。