2021年10月16日土曜日

「冷蔵庫の入れ替え」

 冷蔵庫の交換はすぐできるだろうと簡単に考えていたのですが、なにしろ旧製品が古い。脚立に乗って真上から見るとすごい埃で、雑巾で掃除するうち当時のカタログが出てきました。見ると25~27年前のもの、想像以上の年季ものでした。ふと年間電力消費量をチェックすると、新規購入のものは一回り小さいとはいえ、ほぼ半分になっています。これがこの間の技術の進歩の一端を雄弁に物語っています。それから覚悟して掃除に取り掛かりました。神代のものかと思われる食品その他は捨てながら、中身を部分ごとに分けて袋にまとめ、汚れを拭いていきました。液体がこびりついて乾燥した汚れも、何度も拭くうちそれなりにきれいになりました。リサイクル即ち廃棄物なのですからそこまでする必要はないとも思ったのですが、会津藩では鶴ヶ城落城に際し、敵方に明け渡すだけのお城をピカピカに磨き上げたという史実に倣って、私も力が入ってしまいました。ドラマでは確か「会津のおなごの心意気じゃ」と言っていたような・・・。磨いているうち、「両親の時代からよくもまあ25年も働いてくれた」と感謝の気持ちが募ってきました。まとめた袋は中に入れたまま、前日の夜に電源プラグを抜きました。当日は11時に新しい冷蔵庫の搬入のため、取り出しは1時間前でいい、午前中はそれなりに冷えているはずです。

 それから台所の掃除にかかりましたが、兄と相談し、これを機に物品の配置を少し変えることにしました。とにかくコンパクトにまとめるため、拡張型の食卓は折りたたんで小さくし、相当場所塞ぎだった分別ごみの置き場はテーブルの下に移動と決めました。テーブルは大きければ大きいほどどんどん物が散らかると分かったからです。テーブルの一角にA4用紙大の箱を置き、市民だよりや広報誌、チラシ類をどんどん入れていくことにし、壁際にはレジ袋・紙袋の保管場所、冷蔵する必要のない食品を置く場所を設置することにしました。

 これで準備は完璧と思って当日に臨んだのですが、それでもいろいろなことが起こるものです。この辺りの番地は紛らわしく一度トラックが行き過ぎてしまったり、十分広さを確保したはずの経路は、台所の入り口がアコーディオンカーテン仕様で壁が低いためそこから出せず、結局勝手口からの搬出入になったり、つり銭が無いよう用意したリサイクル代のお札の一枚が封筒に残って「あれれ」状態になったり、と小さな失敗がありました。十月とはいえ、業者さんもこちらも汗だくでなんとか終わった時には1時間半ほど経っていました。新しい冷蔵庫はコンパクトながら収納も十分で、期待通りのものでした。冷蔵庫と言えば白物家電の代表ですが、今回黒っぽいものにしたのも気分が変わってなかなか良いです。兄は自動製氷の冷蔵庫は初めてらしく驚いていました。私はと言えば、冷蔵室、野菜室、冷凍庫の位置が今までと全く違うのでまだ戸惑っていますが、あとは慣れるだけです。とても疲れましたが、ただ捨てるだけでなく、物が新しくなるのはやりがいがあり、精神衛生上もいいもんだなと思いました。