朝、ゴミ出しに勝手口を出ると、「東北電力です。メーターの検針に来ました」と係の人が歩いて来るのに出くわしました。「やけに早いな」と内心思っていると、ニコニコしながら「今日はワンちゃんいないんですね」と言うので、「今うちの中で寝てるんですよ」と答えつつ、ハッとして「ご迷惑おかけしてませんか」と尋ねました。なにしろ庭はりくの縄張り、ほぼ全域自由に動けるうえ、繋いでおく杭はまさしく電気メーターの真下なのです。以前、女性の検針員の方は双眼鏡片手にりくが届かない位置から見て、調査票に書き込んでいたのを思い出しました。
すると、「いや~、いつもこっちが遊んでもらって・・・。おりこうさんですよね」との答え。犬好きの方だったのです。すかさず、「ほんとにおりこうさんの子なんですよ」と、親バカならぬ飼い主バカ丸出しで相槌を打ってしまいました。ひとしきり話して検針して帰られましたが、ふと「こんなに早く来るのはりくに会うためでは?」との疑問が胸に浮かびました。朝7時半というのは、私が帰省していない時にはほぼ確実に兄が散歩から帰って、りくを外に繋いでいる時間帯です。まさかと思いますが、犬好きとしてこの推論は否定しきれません。まだ四十代の頃、入院した父を見舞いに毎週新幹線で帰省していた時がありましたが、病院のあるローカル線の駅前の家にいるセントバーナードに会うのをどれほど楽しみにしていたことか。「ああ、りくを抱っこしてでも見せてあげればよかった」と思った時には後の祭りでした。東北電力のお兄さん、がっかりさせてすみません。