2020年11月12日木曜日

「庭のある家」

  往復生活が長くなりました。最近は何をするにも時間がかかるので、りくの世話と家事だけで一日手いっぱいということもよくあります。毎回、一つは懸案事項を抱えて帰省するのですが、先日は松の木の伐採がそれでした。

 父はとても器用な人で、子どもの頃のりくの遊び場の囲いを作ったり、河原の萱を取ってきて簾を編んで日よけにしたり、雪囲いを作ったりと、庭の手入れに余念がありませんでした。こういった何気ない手入れはできそうでなかなかできないものです。

 この松の木は家を建て替えた時に植えられたもので、かれこれ30年以上はたっているはずです。父がいたころはそれなりに手入れがされていましたが、その後は兄がどうしても伸びすぎた部分を切る程度で時が経過し、そのうち先端が電線に届きそうになってきました。強風が吹いて電線を切断でもしたら大変なことになります。兄も気にしていたので、休みの日に伐採する計画を立てました。

 前日は私が下準備をすることにし、はしごを設置し、切る位置の高さを確かめましたが、どうしても父の使っていたのこぎりが見当たらない。家にあった古い小さなのこぎりではそれこそ全く歯が立たない。のこぎりを購入し、ひもも用意し準備OK。当日は兄の作業を少し離れてりくと見学。

①まず道路側に枝が落ちぬように、ひもを松の木の先っぽに掛けて庭の物干し竿に固定する。

②兄がはしごに登り、大枝をのこぎりで引く。

そのうち隣のおじさんも出てきて、「大変だない。落ちねように気いつけて」と声をかけてくださいました。どうもかねがね松の木の枝が伸びているのを心配しておられたのではないかという気がします。申し訳なし。

 ギコギコを5分くらい続けると、意外とあっさり大枝が切り落とされ、それを私が邪魔にならない場所に運び、兄が残りの小枝もどんどん切り落とす。これを何度か繰り返して、あっという間に伐採は終了となりました。こんなに簡単ならもっと早くすればよかった。切り終えた枝は一か所に積み上げ、あとの始末はまた後日にすることにし、その日の作業はそれでお仕舞。コーヒーを淹れて兄と今回のミッション完了を祝し、とても良い気分でした。しかし、年老いてからの庭の手入れは結構な大仕事です。今後を思うと、一難去ってまた一難です。