2020年5月11日月曜日

「感染症に強い国づくり」

 今のところ感染拡大をなんとか食い止められているのは、事実上の独裁国かIT機器を駆使して情報を効果的に利用できた国だけです。そのどちらでもない日本と米国を例にとって、感染症対策を意識したこれからの国づくりを考えてみます。厚生労働省の公表資料では5月9日現在、米国の死亡者は77,178人、日本の死亡者は601人です。資料上では米国の感染者数は日本の82倍ほどですが、この比較は日本の検査数が低すぎるため意味をなしません。死亡者総数を比較するにあたって人口比を考慮すると、米国の人口は日本の2.6倍なので、人口当たりに換算して米国の死亡者は日本の約50倍ということになります。この時点で私などはいくらジョンズ&ホプキンズ大学がコロナ対策研究の権威であっても、国民を救えないのではどうしようもないじゃないかと思ってしまいます。しかし、もちろん大学が悪いわけではなく、医療制度の問題なのです。

 第一の理由は、これに尽きると言ってもいいのですが、「日本には国民皆保険がある」ということです。感染症は皆が罹る病気なので、医療格差のある国においては、平時では想像できないほどの災厄をもたらしてしまいます。米国市民に一時は希望の光に思えたオバマケアは日本の国民皆保険とは全く別物でした。人々は入っている保険、支払える費用によってピンからキリまでの治療方法があるものの、保険会社や製薬会社の利益を最大化させるシステムが強固に整えられているので、この制度の下では、中間層でもあまりに高額な医療費が雪だるま式に積み上がり、医療破産に追い込まれる人が急増しています。また、貧困層の医療をカバーしていた保険では赤字になるため診てくれる病院が減少し、病気になっても診てくれる医者が見つからないのです。無保険者が5千万人ともいわれる国の医療制度は、その方々がいないものとして制度設計がなされています。平時でも多くの人が医療機関にかかれないことが常態化しているのですから、非常事態においてはひとたまりもありません。皆が罹りうる病という点で、感染症ほど平等・公平な病はありません。貧者だけでなく富者をも巻き込んで社会全体に広がり、医療崩壊を起こし、医療が機能しないのは必定です。

 もう一つ、感染者とその死亡者に関しては、その国がどれだけグローバル化しているかということも大事な指標だと思います。感染症は国の内外を問わず経済活動をも停止させるため、グローバル化が進み、外国人誘致が盛んな国ほど当然被害が大きくなります。この点、日本においても「今の悲劇の一端は誰かの旗振りに従ってこのようなリスクを顧みずその誘いに乗ってしまったことにある」と真摯に反省し、これを高い授業料として今後に役立てなければならないでしょう。この世は邪悪に満ちています。巧妙な罠に引っかかった結末はやはり個人に帰すほかないのです。悲しいことですが、米国も日本もグローバリストが政府と結託して、自己利益の最大化を常に求めています。「感染症に強い国づくり」をするには、自らが常に国の言うことに疑問を持ち、その真意をはかり、時には「国のために」国のやろうとすることに全力で反対するという逆説を生きることが含まれます。特にグローバリストは国民皆保険を突き崩し、米国流の民間委託によって莫大な利益を得ようと狙っていますから、まことに危険です。そして日本各地に作られた「特区」は規制緩和で外資を呼び込む地ならしを整える場ですから、すでに地獄への道はすぐそこに迫っているのです。「政府の言うことと反対のことをしていれば間違いない」と断言する人もいるほどです。

 さらに、SF的仮説として、小麦文化圏は死亡者が多く、米文化圏は比較的死亡者が少ないということがあります。才覚はあるが道徳心のないグローバリストたちがまず目を付けたのは穀物でした。人の命を顧みず、それを金に換えることが彼らの至上命題です。穀物には非常に大きな市場が開けているので、それは笑いが止まらないほど儲かるビジネスモデルとなりました。遺伝子組み換え食物、とりわけ穀物(小麦、とうもろこし、大豆など)を作り出し、強力な除草剤とともに販売したのですから、遺伝子レベルで人体に影響しても不思議はないでしょう。ちなみに、ボーリング場と発毛剤を足して二で割ったような名前のお手軽除草剤(散布すれば根本から植物を枯らす)が、日本のCMにも現れて私は青ざめました。これはどう考えてもベトナムで使われた枯葉剤じゃなかろうか。どれほど自然生態系に悪影響を与え、生物にとって危険な物かと思ったら、恐ろしくなりました。米国の貧困層に配られるフードスタンプで手に入るのは有名なハンバーガーやピザを売るグローバル企業の商品です。危険な除草剤をふんだんにかけて育てられた農産物に、これまた危険な食品添加物を加えて製造されたものを構造的・恒常的に食べさせられているのです。また、想像をたくましくすれば、コロナウイルスによる感染者で、貧困層ではない40代、50代の男性で持病もない方がたくさん亡くなっているのは、肉食の影響とも考えられます。危険な穀物を食べて育った家畜を食べれば、本来口にすべきでないものが濃縮された状態で体内に取り込まれるからです。こういったことの積み重なりがヒトの遺伝子を損傷することは十分あり得ると思います。

 日本にとっての不幸は、日本政府が米国(そのトップはアメリカ・ファーストの億万長者)の意思を忖度することを無上の使命としていることです。ですから、アメリカのグローバリストを全力で支えている日本政府が元来エボラの治療薬として開発され、アフリカでの治験を拒否されて実用化されない薬(即ち開発費を回収できていない薬剤)を、日本において新型コロナの治療薬として3日で承認したのもむべなるかななのです。21世紀の世界はグローバル経済によって行きつくところまで行きついた感があり、本当に気が滅入ります。今回分かったのは、グローバリズムが浸透した国ほど感染症には弱いということでしょう。本当にっ自国を守りたいと思ったら、それこそ鎖国をするしかない。えっ、それは出入国を止めている現在の状況ではありませんか。そうなると、コロナウイルスはまさにグローバリズムを粉砕するために登場したと言わざるを得ない。神様がグローバリストを懲らしめるために用いた方法がこれだと思えるほどに・・・。これは熟慮すべきことです。

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主は来られる、地を裁くために。
主は世界を正しく裁き
諸国の民を公平に裁かれる。
(詩編98章9節)