生物にとって「慣れる」ということはとても重要なことです。陸の場合、何かちょっとでも環境の変化があると、いつもの暮らしに支障が出ます。たとえばスペースの関係でこたつを部屋に対して斜めに設置しただけでもそわそわし、りくの席にある座椅子を動かしただけでも寝る場所が変わります。ふと見たら顔も丹下左膳状態になっていたので慌てて元に戻しました。明らかにりくの神経にさわったのです。
しかし一方で慣れからくる態度の変化もあって、りくの場合は散歩の催促が傍若無人になるという様相を呈します。度が過ぎると「それは人にものを頼む態度じゃないでしょ」と言って大いに叱ります。すると突然態度を変える。お座りをしてこちらをじっと見つめ、時折「私が悪うございました」と言うようにうなだれたりするので、「わかればよろしい」と許してやります。これほど変わり身が早くて恥ずかしくないのかと思うのですが、そういうことは全く脳裏に浮かばないようです。
また、食事に関しては変化を要求してきます。いつもはドッグフードに鶏肉とチーズのトッピングが定番ですが、やはり飽きるらしく、たまに豚肉の脂身や牛・豚合挽肉などにしてあげると、ペロリとたいらげ「おかわり!」と言います。犬にとって味の違いが分かるということは死活的に重要なことでしょうから、いつも同じものばかりではちょっと可哀そう。でも、定番があった上でのごちそうなのですよ、りく、鶏さんに感謝してください。