2019年8月19日月曜日

「暑さの限界」

 ずいぶん前のことですが、ヨーロッパを熱波が襲って確か1万人を超える人が亡くなったというニュースがありました。その頃日本では、いくら暑いといっても37度程度だったので、暑さで人が死ぬということがピンときませんでした。今はよくわかります。エアコンの普及していない頃のヨーロッパなら容易に想像がつきます。現在の東京では、昼間買い物に出たりして、「あ、ちょっとまずいかも」と思うくらいフラッとすることがあります。涼しい目的地があっても、よほど早く家を出て日が沈んでから戻るくらいでないと往復の途中で暑さにやられてしまいます。熱帯夜ですから朝のウォーキングもできないほど朝から暑いのです。

 勢い、家でエアコンをつけてじっとしているしかなくなるのですが、これも体に良くないと、他ならぬ身体が告げてきます。まったく外に出ないわけにもいかないので、その温度差で体が変になるのです。体を慣らそうとエアコンの温度を高めにし、ポケットや首に巻いたハンケチに保冷剤を忍ばせ、寝る時はアイスノンの冷たい枕、それでも熟睡できません。身体のリズムがすっかり狂っているのです。加齢という要素も見過ごせないでしょう。頭がぼーっとして、生産的なことをしようという気が起きません。

 来年、この時期に本当にオリンピックをやるのでしょうか。正気の沙汰とは思えません。プレ大会(?)か何かの話で、お台場でのトライアスロンが水温が高すぎて競技時間を3時間早めた等のニュースも聞きましたが、その日の朝の水温でこれほど競技時間が変わるのは、もう無茶苦茶ではないでしょうか(トライアスロンの場合は大腸菌問題もあるようです)。観客のための熱中症対策も話題になっていますが、保冷剤や携帯用扇風機程度でなんとかなるものとも思えません。きっと暑さに慣れていないヨーロッパの方の中には体調を崩される方もいるでしょう。重篤な状態になったらどうするのでしょう。私は「夏は東京に来てはいけない。命に係わる暑さです」と声を大にして言いたいと思います。1964年の東京オリンピックは10月開催でした。2020年はそもそも7月24日 ~ 8月9日です。盛夏とわかっていて手を挙げるなど、愚かである以上にとても罪が深いように思います。開催が避けられないなら、東京だけは冷夏になってほしいと願うばかりです。