りくが二階への階段を初めて上ったのは、9歳の時でした。何にでも初めてはあるようで、今回帰省して兄からこんな話を聞きました。
ある朝起きて階下に行ったら、普段やって来るりくが来ない。どうかしたかと部屋をあちこち探したがりくの姿が見当たらない。「台所の扉は閉まってるし・・・」と考え、ここで、はたと思い当たることがあった。昨夜散歩を済ませて、りくはいつも通り「まだ入らない」と言ったので、後で家に入れようと思い、そのあとどうしたっけ・・・。
そうです。扉を開けて外を見ると、朝日を浴びて元気なりくの姿がありました。一晩外で過ごしたのですが、一度も夜中に吠えたり、「家に入りたい」と言って鳴いたりしなかったとのこと。朝見た時はゆったりと寝そべってあくびしてたらしいので、もしかすると寝ずの番だったのかもしれません。何事もなくてよかったですが、こうして思いがけず、箱入り息子りくは11歳6か月で初めての外泊(「そとはく」と呼んでください)を体験することとなりました。