日の出が遅くなり、つい寝過ごしそうになる中、ハッとして飛び起きる。こうしてはいられない。朝のルーティンが終わったら散歩に行くのだ。予定のある日や雨の日は別として、神様がこんなよい気候をくださっているのだから、逃す手はない。ラジオで「師走並みの気温」と言っていても、東京の寒さはウォーキングに最適である。ご飯を食べ、短く聖書を読み、お祈りをする。その後ラジオ体操を済ませたら準備万端である。保温ポットに淹れ立てのコーヒーを持って家を出る。すでに心は半ばピクニック気分。
大好きな公園には交通機関を乗り継いで行く。公園に着くまでは混んだバスに揺られ、事故に遭わぬよう気を付けて舎人ライナーに乗る。実はこれもよい刺激となる。これから仕事や学校に向かう方々の程よく張り詰めた緊張感が私をシャキッとさせてくれるのだ。「気を付けて行ってらっしゃい」と心で思う。
公園駅に着く。深い森林の連なる風景を見渡し、どっと気分が弛緩する。交通の危険を意識せずウォーキングできる場所は本当に有難い。ここは或る種の理想郷、都立公園ではあるものの、我が区の宝である。とても広いので、毎日違う方面を歩く。降りる階段を決め、行きたい方向に歩き出す。ジョギングする人とすれ違い、池の周りの太公望を横目で眺め、井戸端会議中のワンちゃんたち(話しているのは飼い主さんたち)の傍を歩く。リードを離れてこっちにくる子もいる。犬は犬好きな人を必ず嗅ぎ当てる。本当にかわいい。橋を渡った別の園には大型犬用のドッグランもある。ここではシェパードに吠えられたりするが、あれは「おっ、新入りか。一緒に遊ぶ?」と言っているのだろう。他に花壇があり、野球場、陸上競技場があり、別の園には子供の遊び場や水辺の生き物の観察場もあるから、十人十色の楽しみ方ができるはず。
私は専ら森林に惹かれてその辺りを歩く。紫外線を避けるためにもよいが、何と言っても森林浴が最高。今日もまた一度も歩いたことのない小道を見つけた。夏の間に足が弱ったなと実感しつつ、取り戻さなければと力が湧く。歩くのはよいが、膝が痛くてジョギングはまだできない。駅では意識してなるべく階段を使いながら、程よく疲れて家に戻るまで、ほぼ1時間半。何と感謝な一日の始まりであろうか。