世の人々はこの暑さの中、いったいどうやって健康を保っているのだろう。いったい何を食べて暮らしているのだろう。これが最近の私の真剣な問いである。
全国で40℃超えの地点が14カ所あった8月上旬(最高は伊勢崎の41.8℃)は、さすがに「違う段階に入ったか」と思われる災害的危険を体感した。それまでにすでに食欲は落ちていたが、この日は気持ちが悪くなり、もう食欲は全然なくなった。「何でもいい、とにかく食べられるものを口に入れなければ」と、栄養その他の要素は度外視して、スイカやゼリー、プリンなどを食べていた。米飯はこのところ全く口にしていない。食べられる気がしないのだ。その代わりそうめんや冷やし中華ならなんとか食べられている。少し涼しくなるまで米の高騰問題について考えずに済みそうである。
食事を作る気が起きないのなら外食すればよいかと言えば、まず食事のできるお店に行くことすら自信がない。暑すぎて倒れずに行きつけるか分からないのである。辿り着いたところで、食べたいものがあるかどうか、一人前を食べきれるか、注文して半分くらい残すことにならないかと思うと、とてもお店には行けない。それよりは買い物に出て、少しでも心が動くものを買って来る方がいい。幸いバス停が近いので、これをフルに活用している。夏野菜や果物なら食べられるし、普段はまず買わない冷凍食品も試してみたら、どうしようもない時は「これもありだな」と思った。
そうこうするうち、友達から夏レシピが送られてきた。私は大豆製品や乳製品、魚、卵でたんぱく質を摂ることが多いのだが、「肉を食べなきゃダメ!」とのこと。そのレシピによると、ネギ、みょうが、しょうが、青じそ等の薬味をたっぷり用いて特性の調味料を作り、豚肉・もやしを痛めて、最後に調味料で整えるというものだった。普段なら美味しく食べられそうであるが、今の私に肉は無理。でもこれまでも、そうめんや冷やし中華に薬味はたくさん入れていた。これがあると食欲がわずかなりとも増進する、有難い食材である。
いつまで続くか分からないこの酷暑は恐怖である。その間、言ってみれば終末期の食事をとっているようなものだ。「体にいいから」という観点は消え、「これなら食べられる」というものを食べて命をつなぐしかない。体調に影響しないわけがないと思いつつ、どうしようもないのである。