政治に関心は全くないが、選挙の投票には欠かさず行っている。一種の習慣である。「一応各党の公約を聞いて…」と思ったら、まず党名からして知らないところが多かった。その主張を聞き、「えっ、今日本の政治はこんなことになっちゃってるの?」と、少なからず驚いた。
現在日本の現役世代は恐らく世界で最も重税(社会保障費その他別名での実質税を含む)を課された人たちである。だからこの世代の負担軽減に異論はない。「まだそんなこと言ってるのか」と旧態依然たる主張を繰り返す政党に負けず頑張ってほしいとも思う。しかし一方で、「そんなことを堂々と言える国に日本はなったのか」と心がざわつく主張をする政党も着実に育っており、世界各国で見られるポピュリズムの嵐に日本もさらされている。政治問題の世代交代はしばらく注視の必要がありそうだ。
全く別な話だが、私は所属している教会の会報委員会でつい先ごろ世代交代を経験した。前回不在にした会議に出たところ、年長のお二人が抜け、新たに入られた方のお一人が非常に若くて、委員会の平均年齢が十歳以上若くなったと感じた。私は脚韻なのでお気楽な立場ではあるが、抜けられたお二人がオブザーバーとして残られると思い込んでいたため、委員会の中で自分が一挙に年長組になってしまったことを知り、愕然としたのである。
そしてその一番若い新人がこの会の委員長をお引き受けくださったので、会の雰囲気は文字通り一変した。これは今までの会とは別物と考えた方がいい。今までも和やかな会であったが、きゃぴきゃぴ度が違う。若い方々が実に楽しそうで素晴らしい。やはり平均年齢が若返った分、にわかに物が言いやすくなった雰囲気なのである。また、皆さんデジタル機器を駆使できる方々で、話がサクサクと進んでいく。
その月発行の会報の校正を終え、次号の編集方針やもっと長期的な視野に立った課題についても話し合うことができた。とてもよい時間が持てた。若い方々にすっかりお任せし、ロートルは下校正を丁寧におこなおうと決めた。世代交代を効果的におこなおうと思ったら、メンバー全体の若返りはもちろんだが、やはり「長」となる人に若い方を抜擢するのがよいと、つくづく感じた次第であった。