最近「サルコペニア」という言葉をよく聞きます。加齢や疾患のため筋肉量が減少することにより起こる、筋力や身体機能の低下を指す言葉です。単に「虚弱を」意味する「フレイル」と呼ばれることもあるようです。一般にコロナ感染症対策で不要不急の外出をしなくなり、年配者・高齢者のフレイルが急速に進んだと言われていますが、これは本当に納得できます。たとえ風邪でも1日、2日寝込めば、自分ではっきりわかるほど体力が落ちます。昼間のフィットネスジムはシニアでいっぱいと聞いたことがありますが、そういう所で定期的に体を鍛えないと筋力が維持できないのでしょう。
しかし、人の集まる施設が苦手という人もかなりいて、例えば畑仕事や山歩きを健康維持の秘訣としている人もいれば、仲の良い友人たちと観劇や買い物をすることで元気いっぱいの人もいます。私はこれまで週に1~2回、一日がかりの外出に合わせて、他の日はほとんど家の周りで過ごしながら体調を整えることが多かったのですが、良い季節になってきたこともあって、最近は午前中だけ外出し、午後の早い時間に帰宅するという外出法を試しています。もちろん朝から疲れを感じている時は出かけませんが、午後ゆっくり家で休めるためかこの方法は割と毎日おこなっても疲れないのです。
ただの散歩と違うのは、交通機関を積極的に利用してよいことにしている点で、こうすると車内で休める時もあれば経っていなければならないこともあり、また乗り換えなどでは相当の距離を歩かなければならないことも多く、運動量は想像以上に多いと感じます。先日は日暮里まで交通機関を使って出て、谷中の墓地を抜けて上野まで歩きましたが、ちょうどよい散歩コースで、東京国立博物館の前に着いた時にはちょうど開館時間の頃で、非常に多くの人が並んでいたのでびっくりでした。年配の人もいたようなのに行列に並ぶ体力があるなんてすごい…。この方々はフレイルなんて関係なさそうです。帰りはバスや電車を乗り継いで正午過ぎに帰宅、4時間ほどの外出でした。
2月の今からこの暖かさではきっとすぐに暑くてとても外出できない気温になってしまう予感がします。今のうちに体力増進を目指して、しばらくこの外出方法を試してみようと思います。観覧しないまでも美術館や庭園の場所を目指して行ってみる、一度も降りたことのない駅で降りてその地域を歩いてみる、一日券を使ってできるだけたくさん交通機関に乗ってみるなど、目先を変えた目標を作れば東京都心はそれ自体が巨大な遊園地になりそうです。