2023年9月15日金曜日

「戸別訪問のブラック営業」

  帰省先に滞在中、玄関チャイムが鳴って出てみると、「〇〇工業の者ですが屋根の瓦がズレています」とのこと。こんな古典的な詐欺がいまだにあるのかと吹き出しそうになりました。「結構です」とバシッと扉を閉めて施錠。すると、「いえ屋根が大変なことになっているので市役所に通報します」と電話を掛ける(まねごとの)声が聞こえてきました。市役所が一個人の住宅の修繕に介入してくるわけがない。新手の手法だなと分かり、同時に爆笑の渦がこみ上げてきましたが、何となくこれ以上刺激しない方がいいと、その場を離れました。玄関には「押し売り、勧誘、訪問販売等はご遠慮ください」と、すぐ見えるところにテプラで書いて貼ってあるのに、女子供(?)だと思って甘く見ているのか。

 この件はちょっとあり得ないあくどい手法だったので後で一応兄に報告したところ、「そう言えば前に『向こうの工事に来ている者ですが、家の不具合が無いか近くを回っています』というのが2回くらいあった」とのことでした。本当に近くの工事に来ていたのかどうかは不明ですが、リフォーム業者等の営業がかなりきつくなっているのは確かなようです。人の性格にも依りますが、このような飛び込み営業が好きな人がいるとは思えない。労多く実りの少ない労働で、とにかく苛酷なノルマが課されているのでしょう。お気の毒ですが、需要はあるところにはあるし無いところには無い。正攻法で頑張っていただきたい。こちらも降りかかる火の粉は払います。

 という体験をして東京の自宅に戻った夕方、集合住宅玄関エントランスからのチャイムが鳴りました。「工事の予定をお渡しするので階下まで来てください」という声が聞こえました。ぼんやりした頭で「ずいぶん高飛車だが工事の予定なんてあったかな」と思いつつ、「何の工事ですか」と聞くと、「風呂場の工事です」とのこと。移動日で疲れていたため、「ポストに入れておいてください」と言ってインターホンを切りました。

 少ししてよくよく考えてみるとこれはおかしな話で、帰省先から頭の切り替えがうまくできていなかったなと反省。毎回理事会の議事録には目を通しているので、今現在各住戸に関わる工事予定が無いのは分かっていました。だから、「理事会を通っている話ですか」と尋ねれば、「通っていない」もしくは「理事会とは別です」と答えるに違いなく、「うちは結構です」と話を打ち切るべきでした。万一、住人が階下まで行って工事予定なるものをもらってしまったら、住人が自主的に望んだ工事として無用な面倒に巻き込まれたのかも知れません。念のため翌日ポストを見てみましたが、やはり何も入っていませんでした。顧客になりそうもない人に、それなりに経費をかけて作成した資料一式を渡す程度の無駄もできない状況なのでしょう。集合住宅といえど各戸への個別営業のやり方が巧妙さを増しているように感じます。やり取りするのも気鬱になるためインターホンに一切応答しないという手もありますが、郵便書留だけは受け取りたい。なぜか郵便書留はちゃんと制服を着た職員が配達に来るようなので、インターフォンの画面で制服を見分けるしかないのかなと思っているところです。あ、でも郵便局の制服に似た工務店等の作業着が増えちゃったりして。